「移転先の安全が確認されなければサインしない」
築地市場の豊洲への移転を巡り、移転に反対する都議会の民主党勢力を応援する現地を視察した赤松農林水産大臣の発言です。移転の最終的な許認可権は農林水産大臣にあるのです。
築地市場の移転については、小池百合子知事のゴタゴタを思い出されますが、民主党政権下・都議会においても、前政権のちゃぶ台返しが行われていたのです。こちらの動画をご覧ください。
動画の中でも八ッ場ダムに続いて注目されそうと言われていますが、前政権が進めてきたものに何でも反対するのが民主党政権の一つの特徴、いや性癖だったと言えそうです。
築地市場の豊洲移転が決まったのは石原東京都知事の2001年。当時は2014年移転完了のはずでしたが、土壌から有害物質が見つかり、賛成派と反対派に分かれていました。悪夢の政権交代直前の2009年7月、都議会選において民主党を中心とする反対派が勝利、過半数を占めたことで、話がややこしくなりました。
そこへノコノコと政権交代でふんぞり返っている農林水産大臣の赤松氏が視察にやって来たというわけです。2009年9月24日のことでした。
いろいろ調べてみましたが、賛成派の官僚があの手この手で大臣を懐柔しようとしていたようです。詳しくは、こちらのサイトをご参考ください。
→田中龍作ジャーナル | 民主党・赤松農水相待つ官僚とハゲタカの罠
こうやって、ちゃぶ台返しをしたものの、八ッ場ダム同様ヘタレてしまうのも民主党政権ならではです。ヘタレたことを日本共産党から批判されました。しんぶん赤旗です。
築地市場移転 都議会民主党 また公約破り 2010年3月28日
都立3小児病院の廃止に続いて、築地市場移転予算も賛成―。民主党が自民党と密室協議を重ねたあげくに、築地市場の豊洲移転予算に賛成する方針に転じたことは、都議選公約を再び投げ捨てるものにほかなりません。
民主党は昨年7月の都議選で「築地市場の移転に…民主はNO 自民はYES」をマニフェストの最重点に掲げました。築地市場前での告示第一声で鳩山由紀夫代表は、「築地市場移転をやめさせるためには、たった一つ、都議選で勝つことです」と強調。多くの都議候補が「築地市場は現在地で再整備」と公約しました。
都議選の結果、与党の自民党・公明党が過半数を割り、日本共産党、民主党、生活者ネット・みらいが過半数を占め、石原慎太郎知事の無謀な市場移転計画にストップをかけることができる議会構成となりました。
猛毒物質のベンゼン、シアン化合物、ヒ素で高濃度汚染された豊洲地区への市場移転計画には、仲卸業者や消費者団体、日本環境学会など各団体が反対、集会やデモには日本共産党のほか民主議員も参加しました。
移転問題が焦点となった今都議会で、日本共産党は新年度の中央卸売市場会計予算案から移転関連予算全額を削除する修正案、民主党は用地取得費だけ削除する修正案を各会派に提示。「土地購入費削除」の一点で共同すれば豊洲移転にストップをかけられる可能性が生まれました。
ところが民主党は、修正案提出を阻止しようとする都側と、自民・公明両党との密室協議を繰り返し、予算特別委員会を2日間も空転させました。同党は、知事の「議会が現在地再整備を検討する場合、協力する」「議会の意思は尊重する」という答弁をうけ、修正案の提案をとりやめ、法的拘束力のない付帯決議をつけて予算案賛成に転じました。
民主党の立場は、豊洲移転そのものをやめさせるのではなく、現在地再整備をそ上にのせればよいというものです。
「食の安全を優先して」「築地再整備を」の都民世論を踏みにじり、移転予算案を可決する民主、自民、公明各党に都民の批判は免れません。(岡部裕三)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2010-03-28/2010032804_03_1.html(しんぶん赤旗)
ヘタレた民主党は、2013年の都議選で大敗して第4党に落ちてしまいました。民主党らしい結末です。その後、小池百合子氏が再度ちゃぶ台返しをしてしまいます。
なお「認可しない」と威勢よく発言した赤松農水相から9年後、2018年9月、やっと安倍政権の斎藤農水相が認可しています。朝日新聞です。
豊洲市場の開設を認可 農水省「基準に適合している」2018年9月10日
築地市場(東京都中央区)から移転予定の豊洲市場(江東区)について、斎藤健農林水産相は10日、中央卸売市場として開設することを認可した。約30年にわたる議論を経た市場移転が正式に決まった。築地市場は10月6日に営業を終え、同11日に豊洲市場が開場する。
https://www.asahi.com/articles/ASL9B5145L9BUTIL017.html(朝日新聞)
反対しては、現場を混乱させて、結局代案も出せずにヘタレて元に戻る。納期は遅れ、費用もかさむ。民主党政権が悪夢と言われる原因の一つです。