岡田克也氏(衆・三重3区)鳩山政権では、外務大臣を務めました。鳴り物入りの政権交代を果たした民主党政権の花形である外務大臣です。でもその影は薄かったといえるでしょう。鳩山首相が「トラストミー」と米国との関係をややこしくして、APECで東は「アジア共同体」をぶちあげ、国連気候変動サミットでは温室効果ガス25%削減の「鳩山イニシアチブ」で目立つ一方、対中国では小沢幹事長が大朝貢団を送るなど、外交の目玉を全て奪われてしまいました。俺が俺がと前に出る民主党の議員の中にあって、控えめな岡田氏の性格が現れたのかもしれません。
そんな岡田外務大臣ですが、ネットではフランケンと呼ばれています。その理由は政権交代してからやせ細った顔がフランケンシュタインを彷彿させるからです。それほどまでに政権交代後のお仕事は激務だったのでしょうか?何にも成果は残せていませんけど・・・。東大卒、大蔵省官僚を経て政界入りしています。ジャスコ(現イオングループ)の御曹司でジャスコ岡田とも呼ばれていた学歴、家系ともにエリート議員です。この岡田外務大臣が鳩山政権下の国会質疑で、日本人の大臣としておよそふさわしくない答弁を繰り返すのです。
2010年3月の衆議院外務委員会での質疑です。禅問答ですが、よく読んでみて下さい。民主党政権の立ち位置が見えてきます。質問者は、自民党の新藤義孝氏(衆・比例北関東ブロック(当時)→埼玉2区)です。国会議事録からです。
2010年3月26日 衆議院外務委員会
○新藤委員 ・・・(略)そこで、私は、この外務委員会でお時間をちょうだいいたしまして、これに加えて、今、竹島の問題、日本と韓国における領土問題です。この竹島の問題について、今、日本政府がどんなことを考えているのか、そして韓国が竹島において何をやろうとしているのか、このことをお尋ねしたい、また明らかにしたい、このように思っています。お手元に資料もありますから、ぜひ委員の皆さんもごらんになってもらいたいと思います。
まず、岡田大臣にお尋ねします。
我が国の竹島問題における基本認識、これはどういうことになっているんでしょうか
○岡田国務大臣 私もこの国会の場で答弁を既にしておりますが、竹島の領有権に関する我が国の立場は一貫をしております。韓国側に対して累次の機会に我が国の立場を申し入れているところであります。
今後とも、竹島問題の解決のために、より有効な方策を不断に検討しながら、粘り強く努力をしていきたいと考えております。
○新藤委員 大臣、きちんと答えてくださいよ。何も言っていないじゃないですか。我が国の立場は変わっておりませんと言っているだけで。
あなたが竹島についてどう思っているかということですよ。竹島は日本の領土なのか、そして竹島は韓国によって不法占拠されているということなのか、それを大臣としてきちんと言葉に出してもらいたいということです。どうですか。
○新藤委員 不法占拠はどうなの。
○岡田国務大臣 その竹島を日本が占有していないことは事実であります。
○新藤委員 いやいや、ちょっときちっと言ってくださいよ、あなた。何でそういうふうにすりかえるの。外務省のホームページにきちんと出しているじゃないの。どうして大臣が言えないの。
竹島は韓国によって不法占拠されているかどうか、そのことをきちっと自分で答えてくださいと言っているんです。
○鈴木委員長 武正副大臣。(新藤委員「いや、大臣だよ」と呼ぶ)とりあえず副大臣から答弁して、それから岡田大臣に答弁してもらいます。
○武正副大臣 新藤委員にお答えをいたします。竹島は我が国の領土であるということで、今、竹島の現状については、実効支配ということでされている現状というふうに考えております。
○新藤委員 岡田大臣、あなた、何でそうやって言葉に出せないの。だれかの言ったとおりだとか、従来の見解のとおりだとか、どうして自分の言葉で責任持って言えないんですか。きちっと言ってくださいよ。こんなことは基本中の基本なんだから、しかも、そのとおりだと言っているのなら、なぜ自分の言葉で言えないんですか。
もう一度言ってください。
○岡田国務大臣 先ほど、私の言葉で申し上げたところです。
○新藤委員 竹島は韓国によって不法占拠されているかどうかと聞いているんです。不法占拠されているんですか。
○岡田国務大臣 竹島は日本の領土であります。しかし、今、実効支配をするには至っておりません。
○新藤委員 では、韓国の不法占拠は認めないんですね。どうですか。
○岡田国務大臣 もう私は何回もお答えしていると思いますが、そういう表現を使いたければそういう表現もできると思います。
○新藤委員 だから、どうしてそれならそれで、その表現を使ってくださいよ。その表現を使って、あなたの口から聞きたいんですよ、僕は。竹島は不法占拠なんだということを聞きたいんです、あなたのお口から。
○岡田国務大臣 まあ、委員、そういう言い方で答弁まで指示される、そういう立場に私はないと思います。考えていることは一緒ですけれども、どう答えろということまで私は委員に指示される立場にはないと思います。
○新藤委員 いや、指示をしているんじゃないんですよ。不法占拠をしているかしていないかということを聞いているんですよ。だから、それをしているかしていないかということを答えてくれればいいんですよ。言えないの。不法占拠をしているかしていないかということを答えられないんですかとお尋ねしているんですが。
○岡田国務大臣 先ほど来言っておりますように、竹島は日本の領土であり、そして現在、実効支配をしておりませんということを申し上げております。
○新藤委員 ここまで言っても韓国が不法占拠しているという言葉を使いたくないということを、私は受けとめざるを得ないんです。そこまでなぜ言葉に出さないのか、私は不思議で仕方がありません。これはだんだんこれから明らかにしていきます。
それから、鳩山政権が発足して七カ月たったわけでございますが、総理、外務大臣、何度も日韓の首脳の機会がございますね、行ったり、来ていただいたり、また国際機会で。これまでに日韓の首脳間で竹島問題について、具体的にはどんなやりとりがあったんでしょうか。
○岡田国務大臣 首脳間のことは私は十分に承知しておりませんが、私の記憶している限り、竹島について明示的にテーマとして取り上げたことはないものと承知をしております。私の外相会談では、少なくとも取り上げておりません。
・・・(略)
この答弁のビデオを閲覧すると岡田氏の異常さがよりわかるのですが、当時の国会ライブラリ―のビデオ形式が古いため、スマホ等で見ることはできないようです。パソコンで一度ビデオファイルをダウンロードして閲覧することができます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=40281&media_type= (衆議院インターネット審議中継)
YouTubeにありました。
さて、毎年2月22日に竹島の日が巡ってきます。しかし、なぜ竹島が不法占拠されたのか?その時何があったのか?という経緯をマスコミは毎年報道しません。少なくとも私は見たことがありません。
1952年から13年間にわたり韓国により、竹島周辺で日本漁船328隻が拿捕され、日本人44人が死傷、3,929人拿捕され劣悪環境に抑留された結果、竹島が韓国により占拠されたのです。おまけにこの時日本政府は、韓国政府の要求に応じ、日本人抑留者の返還と引き換えに、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として収監されていた在日韓国・朝鮮人472人を放免、日本国内に自由に解放し在留特別許可を与えたのです。(Wikipediaより)。
そして、その末裔が現在日本で平気で暮らしているのです。
なぜか、この竹島の経緯を報道することは、日本のマスコミのタブーとなっているようです。教科書には「竹島は日本の領土」と記されているものの、この経緯について触れているものは少ないと思われます。自国の領土が他国に不法占拠されており、その経緯を国民が知らない、知らされない。だから「いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する」(朝日新聞(2005/03/27))、ホリエモンの「竹島領土はどっちのもの?って、どっちでもえーやろ」などの発言がまかり通ってしまうのです。とっても大きな問題と思われますが、ネットのお陰で少しずつですが、明るみになってきていると感じています。
しかし、日本国の外務大臣として、この経緯をご存じないはずないでしょう。岡田氏のご自身の内面においても「竹島の不法占拠」は、別の意味でタブーになっていたようです。ここまで頑なに「不法占拠」を自らの口で発言できないのは、何故でしょうか?誰かと約束をした?何かを怖がっている?憶測と疑惑が広がってきます。
岡田氏はまた、「韓国・日本・中国共通の教科書を作るのが最も理想的」と売国的な発言を政権交代早々にしています。次の記事で紹介します。
こういう態度から、岡田氏の「日本をあきらめない」コラージュがつくられると、あっという間にネットで広まり反響を呼びました。ネット上では、岡田氏の媚中・媚韓は完全に見抜かれていたのです。
その後の岡田氏ですが、震災後の福島を訪問する際、防護服でフルに防御した状態で対応し、その臆病ぶりを世間に知らしめました。放射能がそんなに怖かったのですね。
その臆病ぶりを見ると、不法占拠と言えない理由は、やはり何かを過剰に怖がっていたのだと推測されます。
さらに岡田氏は、党の幹事長、副総理を歴任しますが、身内からもマスコミからも、もう一つ信用されずに、色あせた感が漂って存在感をしめせていません。前原代表による希望の党のゴタゴタにおいては、表に出ることなく賢く立ち回り、いまは、衆議院会派の無所属の会を発足させ、深く静かに潜行しているようです。
こっそり、日本をあきらめていないのかもしれません。