鳩山氏、小沢氏のカネの問題で揺れている政権に、またもう一つカネの問題が発生します。小林千代美(衆・北海道5区)の北海道教職員組合からの不正献金問題です。
日経新聞からです。
北教組幹部ら2人起訴 民主・小林氏陣営へ不正資金提供 小林氏「離党、辞職は考えていない」 2010/3/22
民主党の小林千代美衆院議員(41)=北海道5区=の陣営へ不正に資金提供したとして、札幌地検は22日、政治資金規正法(企業・団体献金の禁止)違反の罪で、北海道教職員組合(北教組)の委員長代理長田秀樹容疑者(50)と、陣営の経理担当だった木村美智留容疑者(46)を起訴した。両罰規定を適用、団体としての北教組も起訴した。
小林氏は22日、札幌市内で会見し、事件への関与をあらためて否定した上で、進退について「離党、辞職は考えていない」と述べた。
ただ小林氏は民主党関係者には、既に辞職の意向を伝えている。「政治とカネ」をめぐる問題で支持率低迷に苦しむ鳩山政権や民主党へのダメージは必至。野党は攻勢を強める構えだ。
起訴状によると、昨年8月の衆院選をめぐり、北教組の委員長(故人)が2008年12月から昨年5月にかけて3回にわたり計1200万円を、同年7月に長田被告が400万円を木村被告に提供したとされる。
地検は2被告と共に逮捕した、北教組の小関顕太郎書記長(54)、南部貴昭会計委員(52)については、従属的な立場だったとして、起訴猶予処分とした。
関係者によると、4人は黙秘していたという。
選挙では、故人の委員長や長田被告が小林氏陣営の選対委員長を務めるなど、北教組は北海道5区の「責任組合」として民主党を全面支援した。
北教組の委員長は現在不在で、長田被告は事実上のトップ。木村被告は自治労北海道財政局長。
地検の米村俊郎次席検事は22日の会見で「刑事事件として立件すべきものは処理をした」と述べ、小林氏陣営をめぐる捜査について、事実上の終結宣言をした。
北教組は22日夜「ご心配をおかけしたことを厳粛に受け止めている」とするコメントを発表した。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKB0269_S0A320C1000000/(日経)
前回も紹介しました阿比留氏の本「決定版 民主党と日教組」(産経新聞社 2010/5/28)では、産経新聞の記事としてこう紹介され、上記山梨教組との類似性を指摘しています。どこの県の教組でも似たようなことが行われていると感じざるを得ません。
北教組が選挙の度などに組合員から1人1千円ずつカンパを集めて裏金化しており、一部がこの選挙費用の原資になっていた疑いのあることが16日、関係者への取材でわかった。
さらに輿石氏の「コメントする必要はない」との発言に、阿比留氏は「お気持ちは察するにあまりあります。」と記しています。ははは、次はご自身にふりかかってくるかもしれないという不安と7月に控える参院選へのダメージで頭の中がいっぱいなのでしょう。
また阿比留氏は、この件に関する民主党参院幹事長の高嶋良充氏(参・比例区・自治労出身)の記者会見を紹介してくれています。
記者:話に出た輿石会長も、以前輿石会長を支援するために集めた資金を山教組の当時の財政部長が政治資金収支報告書に記載しなかったということで略式命令を受けたことがあった。日教組と民主党議員の関係が再びクローズアップされることで参院選への影響はどう考えるか?
高嶋氏:あのー、その事件によって、影響を、事件の風評によって影響を被るというのは私どもはそんなに思っておりません。ただ、ああいう事件を通じて日教組の皆さん方の政治活動に対し、政治活動は当然できるわけですから、政治活動に対するあれ、対応が、消極的になるという懸念は若干あるのかなというふうに思いますが、基本的に、皆さん鍛えられた選挙活動、あの、政治活動される方は鍛えられた皆さん方ですから、そういう部分で特別の影響を受けるというふうには思っておりません。
何というか?もっと政治活動やれやれ!って思いが伝わってくるようです。民主党は日教組や組合なしでは存在し得ない政党であるということがわかります。
阿比留氏の本においては、信じられないような北教組の闇が暴かれていますが、その全体像をつかんで頂くために、Wikipediaの「北海道教職員組合」の目次をみてみましょう。北教組が、どんな活動をしているのかを何となく想像できると思います。
2.1 主任制反対
2.2 いじめの実態調査への協力返上
2.3 AEDの学校への設置反対
2.4 フッ素洗口反対
2.5 竹島問題に関して
2.6 国旗国歌の反対
2.7 ストライキ
2.8 選挙運動
2.9 四六協定とヤミ専従
まるで、日本を破壊しようとしている意図を感じてしまいます。竹島と国旗国歌の問題に関して、再度阿比留氏の本から少しだけ紹介させてください。
「北教」(2008年11月28日号)に掲載された論文「アジアと繋がる平和教育を!」に書かれた島根県・竹島に関する記述が、「おいおい、冗談だろう」という内容だったからです。以下、関連部分を紹介します。
《「竹島・独島」問題をめぐって日韓の歴史認識の大きな違いを見せ付けられました。日本では、領土問題としてとらえられているものの、韓国では、「独島」が日本による韓国植民地化の過程で占領されたことから、侵略・植民地支配の問題だととらえられているのです。つまり、文科省が中学校歴史の解説書に「竹島(独島)の領有権」を明記したことは、韓国にとっては、侵略・植民地支配を日本が正当化する不当極まりないものになるのです。歴史的事実を冷静に紐解けば、韓国の主張が事実にのっとっていることが明らかだけに、事は極めて重大なのです。》
日本国のそれも教師が、この認識で教壇に立つことの恐ろしさ、これがまかり通る北海道という地の危うさをひしひしと感じます。
義家氏はまた、2010年1月29日に北教組の会合で出された内部資料を示しました。これについては今朝の産経社会面で《北教組日高支部が今春の小中学校の卒業式・入学式での国旗・国歌の適切な取り扱いをさせないために「『日の丸君が代』強制に反対するとりくみについて」と題した闘争マニュアルを作成、支部内の学校に配布していたことが3日、分かった》と記事になっています。で、私もそれを入手したので本日は抜粋して紹介します。北教組の異様さがよく分かると思います。
【2009年度卒業式・2010年度入学式における「日の丸・君が代」強制に反対する当面のとりくみについて(支部案) 2010年1月29日(金)~第11回支部戦術会議~】
…08年度卒業式・09年度入学式の「日の丸・君が代」強制反対のたたかいにおいて、北教組は「愛国心」や「規範意識」など異常なまでに「国家道徳」を強調する改悪「学習指導要領」の「移行」措置が強硬される厳しい状況の中、学校から「日の丸・君が代」を排除することを基本に、各級段階で徹底した学習を深め、たたかう意思統一を確立しました。
・・・(略)
…卒業式・入学式については、子どもを主人公とし、「日の丸・君が代」を排除したものとします。そのため、子ども・教職員・保護者の意見を反映したものとなるよう子どもの主体的参加や教職員の役割分担の工夫、「紅白幕」「修礼」の廃止など、儀式的要素を排除するために計画的にとりくみます。
…学校から完全に「日の丸・君が代」を排除することを基本に、支部・支会・分会ごとに最終局面において前年度を上回る最低限度の到達目標を設置するなど、それを達成するとりくみを強化します。
…支部・支会・分会は、「教育を語る全道250万人対話運動」に積極的にとりくみます。なお、このとりくみにおいては、連合・自治労・北政連議員・組織推薦議員・民主教育を進める道民連合(住民会議)・平和運動フォーラム、北退教・母と女性教職員の会など民主的諸団体との連携強化をはかります。
・・・(略)
【学習の視点】
・「日の丸・君が代」強制は、憲法が保障する主権在民、思想及び両親の自由を侵害していること。
・侵略戦争のシンボルであり、日本人をはじめ世界の人々はそれを忘れていないこと。
・今日においても日本経済の海外進出の拡大、政治大国、軍事大国のシンボルとなっていること。
・天皇を中心とした国家主義的な日本人としての自覚をもたせる役割を担わせていること。
・「日の丸・君が代」の強制を通して、改悪学習指導要領を全国すべての学校に徹底させること。
・文科省が天皇制のもと、侵略戦争・植民地支配の歴史を隠蔽し、国際化の美名のもともハイテク時代における日本人の海外進出拡大のため、「国際競争に勝ち抜く大国日本人の自覚」を求める人づくりをめざすものであること。
・・・(略)
…「日の丸・君が代」に関わる「職務命令」・業務依頼(掲揚・斉唱・歌唱指導・テープ操作など)については個人対応とせず全員で返上します。特に、子ども・教職員に対するピアノや吹奏楽による伴奏の強制を許さないとりくみを分会一丸となってすすめます。 …「君が代」導入が避けられない場合は、「テープ演奏(メロディのみ)」とさせ、着席状態をつくります。また、式次第や学事報告等に「国家斉唱」は入れさせないこととします。
【対抗戦術】
①町からの依頼業務拒否など本務外の雑務拒否
※PTAに関することは状況を把握し、保護者を的に回さないよう配慮する。
②超勤拒否(部活動を除く)
③校長に対する抗議の意思表明を一定期間行う。
※式終了後1週間、朝の打ち合わせの中で、分会代表が抗議の意見表明を行う。
④研究指定校の返上(町独自も含む)
※新規の研究指定は受けないこととし、すでに受けている研究指定は業務の返上、
形骸化(管理職対応)等を行う
「『日の丸・君が代』強制反対のたたかいにおいて・・・」”たたかい”ってオイオイ・・・。
阿比留氏も仰っていますが、教師というよりサヨク過激派の闘争マニュアルです。自分らの主張が受け入れられない場合の「いやがらせ」まで書かれているのには驚きです。
この時、はじめて日教組は日本の敵だと悟りました。ネトウヨとして目覚めたのです。
阿比留氏の本では、義家弘介(参・比例区・当時)が教育問題・日教組問題に関して、鳩山政権に厳しく指摘する場面が多く紹介されています。やっぱり、教育に関してはサヨクにまかせてはいけません。あのまま民主党政権が続いていたら、それこそ日本が破壊されていたことでしょう。また、北教組の問題は、安倍政権でも引き継がれているようです。2014年4月6日の読売新聞の記事です。
下村文部科学相は5日、北海道旭川市で開かれた今津寛衆院議員(自民、道6区)の政経セミナーで講演し、道内の子どもの学力や体力が全国でも下位であることについて、
「北海道の教育には問題がある。一番の原因は北海道教職員組合にあり、北海道に求められているのは教育の正常化だ」などと語った。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140406-OYT1T50026.html?from=ytop_main3(読売リンク切れ)
さて、小林氏は自身の離党、議員辞職を否定していましたが、鳩山総理は、6月2日の退陣表明演説で小林議員に対し、「責めをぜひ負っていただきたい」と、議員辞職を要請し、地元の北海道議会も政治に対する信頼を失墜させたとして、議員辞職を求める決議案を可決しています。そこに有罪判決がでます。日経新聞です。
北教組幹部に有罪判決 小林議員側への不正資金事件 札幌地裁 2010/6/14
小林千代美衆院議員陣営への不正資金提供事件で、札幌地裁は14日、政治資金規正法(企業・団体献金の禁止)違反罪に問われた北教組の委員長代理、長田秀樹被告(50)に禁固4月、執行猶予3年(求刑禁固4月)の判決を言い渡した。団体としての北教組は求刑通り罰金50万円。
判決理由で園原敏彦裁判長は「当選のため組織の総力を挙げて支援した北教組が、目的実現のために手段の違法性に目をつぶった。政治活動の公明、公正さを確保するという法の趣旨に反した行為だ」と指摘した。
長田被告ら北教組側は閉廷後に記者会見し、控訴しない方針を明らかにした。
:::(略)〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1400G_U0A610C1CR0000/(日経)
有罪判決を受け、小林氏もさすがに国会閉会後に議員辞職すると表明しました。補欠選挙は10月24日に行われ、2009年の選挙で小林敗れた自民党の町村信孝氏が返り咲き当選です。
この事件が明るみに出るまで、北教組はやりたい放題、我が世の春だったのでしょう。そこに、きつーいお灸を据えられたわけです。また、日教組べったりの教育行政に傾いていた民主党政権に対し、ブレーキをかけたという意味でも大きい事件でした。
何よりもこの事件で、国民が日教組の酷い実態を少しでも知り、「いくら何でも、それはアカンやろ」と感じたことに価値がありました。
しかし阿比留氏が指摘する日教組の闇は深く、簡単には晴れそうにありません。国民がきちんと継続的に監視していくことが大切なのだと思います。