郵政民営化改革は、連立を組む日本新党の亀井静香氏の思い入れが相当強かったようで、民主党内の意見集約が追いついておらず、ちぐはぐのまま強引に進められていったことが伺えます。経済ジャーナリスト牧野義司氏のレポートをご覧ください。
賢者の選択 時代刺激人 Vol. 79
鳩山首相一任で最終決着したが、一時は民法TVで亀井・菅両閣僚が口論
国民の前に醜態(しゅうたい)をさらしたのは3月28日の民放テレビ朝日の討論番組でのことだ。ご覧になっていた方が多いかもしれないが、ちょっと再現してみよう。ゆうちょ銀行の預け入れ限度額(現行1000万円)を倍増の2000万円に引き上げる亀井氏の最終案について、菅直人副総理・財務相・経済財政担当相が「(記者発表する前に)事前に、そういった数字は聞いておらず、知らなかった」と述べたら、亀井氏は「鳩山総理に話をして了解された、ということで、菅さんにも電話で全部、申し上げたはずだ」と反論した。これに対して、菅氏は「いや、具体的な数字は聞いていない」と述べたら、亀井氏が「菅さんにだけ、数字なしに報告するわけがない。今後、菅さんとの電話(での報告)はテープにとっておかないといけない」と述べたあと「あんた、耳が悪いんだよ」と言ったものだから、菅氏がムッとした表情になり、一瞬騒然となる状況だった。
しかし、この郵貯の限度額引き上げなど郵政改革法案をめぐる鳩山内閣内対立は、民主党連立政権の底の浅さ、政権基盤の弱さを露呈するものだ。というのは、菅・亀井論争レベルにとどまる話でないからだ。仙谷由人国家戦略相はじめ主要閣僚も記者発表によって新聞などに発表内容が出るまで知らなかった。政策決定の透明性が問われるので、閣議決定の前に議論するべきだ、と場合によっては振り出しに戻せという動きにもなっている。そればかりでない。「鳩山首相の了解は得ている」と、亀井氏が突っ張りの根拠にした肝心の鳩山首相自身も記者発表後、「私が(最終案を)了解したと伝えられているが、実際には了解ではない。これから閣議で調整されるべき事項だ」と述べたのだ。これら一連の言動を見る限り、この連立政権はいったいどうなっているのかと、誰もが思うだろう。
https://kenja.jp/1259_20180214/(賢者の選択)
まっ、今になって思えば「そういう政権だったね。」で終わっちゃいますが、こんなちぐはぐ政権で運営されていた日本の日々は、本当に危うい橋を渡っていたことをしみじみと感じます。
二度と彼らに政権を渡すようなことがあってはいけないと、誓いを新たにする次第です。