民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

■政治主導の顛末

民主党政権は当初「政治主導」を掲げ、事務次官会議を廃止、政務三役の大臣・副大臣政務次官による「政務三役会議」を中心に官僚を動かすよう組織を作り変えました。自分たちが言いたい放題すれば、あとは官僚がやってくれると信じていたようです。
■政治主導という名のやりたい放題 - 民主党政権3年3か月の研究

しかし、八ッ場ダム中止、事業仕分け・・・これまで積み上げてきた成果をちゃぶ台返しする新しい政権の大臣たち。偉そうで経験もなく言いたい放題の無能な政務三役に官僚が動くはずもありません。

f:id:hate_88moshi:20210319122726p:plain

見かねた仙谷官房長官が、事務次官を政務三役会議への出席を要請します。朝日新聞です。

政務三役会議に次官も 官房長官、「脱官僚」を修正 2010年12月28日
 仙谷由人官房長官は28日午前、首相官邸で開かれた各府省事務次官に対する年末訓示で、大臣、副大臣政務官による政務三役会議に「次官や官房長が可能な限り出席、陪席するようお願いしたい」と要請した。年明けにも実施する考えだ。政務三役会議は民主党政権が政治主導の象徴と位置づけていたが、官僚トップの事務次官の出席容認は「脱官僚」路線を大きく軌道修正するものだ。
 仙谷氏は訓示の中で「民主党政権になり政治主導の行政を進めているが、政治主導とは事務方が萎縮したり、政治に丸投げしたりすることではない」と強調。そのうえで「政務三役と官僚が適切に役割分担し、緊密な情報共有、意思疎通を図りながら、国民のために一丸となって取り組むことだ」と訴えた。
 また、仙谷氏は「政務三役会議で事務方を排除することによって、意思疎通が図られないようではいけない。次官・官房長が出席、陪席するようお願いしたい」とした。仙谷氏はこの日の閣議後の閣僚懇談会で、各閣僚に対して政務三役会議への次官らの出席を要請した。
 民主党政権事務次官会議を廃止し、週に数回開いている政務三役会議で意思決定や各省間の調整をしている。こうした仕組みの導入は、省庁の縦割りの弊害を廃し「省益」にとらわれず速やかに政策判断を進める狙いがあった。
 ただ、主要課題の判断から官僚を排除したため、各府省が抱える情報を政務三役と官僚が共有できず、省庁間の調整がスムーズに進んでいないとのデメリットを指摘する声も出ていた。
 仙谷氏は訓示で、中国漁船衝突事件海上保安庁職員が撮影したビデオ映像がネット上に流出した事件や、航空自衛隊の事務用品発注をめぐる談合問題などを取り上げ、職務規律の維持と情報管理も強調。政務三役会議への事務次官らの出席は、官僚との一体化を進めながら危機管理を強化する狙いもありそうだ。

http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201012280218.html(朝日)

そして、東日本大震災後に事務次官を集めてつくった「各府省連絡会議」が定例化され、野田政権で「事務次官会議」の復活につながります。朝日新聞です。

f:id:hate_88moshi:20210319123046p:plain

事務次官会議」復活へ 政治主導わずか2年 2011年9月10日
 2009年の政権交代で廃止された「事務次官会議」が復活しそうだ。東日本大震災後に事務次官を集めてつくった「各府省連絡会議」が、毎週金曜日に定例化され、国政全般の幅広いテーマが扱われる。会議の名称こそ異なるが、官僚の発言権が強まるのは確実だ。
 9日正午、首相官邸事務次官級の17人が集まった。野田政権になって初の「各府省連絡会議」。廃止された事務次官会議と同じく主役は次官だ。その中には野田佳彦首相に近い財務省勝栄二郎事務次官もいる。司会は国土交通省事務次官から昇格した竹歳誠官房副長官が務めた。
 藤村修官房長官は「蓮舫行政刷新相が(無駄の削減を)ビシバシやるので、皆さんそのつもりで対応して欲しい」とあいさつ。次官たちは昼食をとりながら、震災復興対策や円高対策、台風12号被害への対応などについて意見交換した。
 かつての事務次官会議は毎週月、木曜日に開かれ、閣議決定する法案や政令を事前に決めていた。民主党は03年の衆院選マニフェストで「官僚支配の象徴」として同会議の廃止を掲げた。政権交代後に鳩山由紀夫首相(当時)が真っ先に手を付けたのも、この会議の廃止だ。各府省の意思決定は大臣、副大臣政務官の政務三役会議が担った。
 だが、官僚を排除した政治主導に霞が関は反発。十分な情報が官邸に集まらなくなった。鳩山政権は普天間基地移設問題などで迷走。その反省に立った菅政権は、中央省庁の官僚から信頼を集める仙谷由人氏を官房長官に起用した。
 その仙谷氏は昨年12月、「決定事項が円滑に実施されない弊害もある」として政務三役会議への事務次官陪席を閣僚に要請。東日本大震災後は、指示が行き届くように各府省連絡会議として事務次官中心の会議を復活させた。
 政治主導の空回りで官僚に頼らざるを得なくなった事情もあるが、マニフェストは事実上、撤回することになった。事務次官会議の復活ではないかとの記者の指摘に、竹歳副長官は「情報共有は大事だし、コミュニケーションが図れるのでいい」とかわした。藤村氏も9日の記者会見で「今までと違う幅広い会合になる。事務次官会議復活というイメージではまったくない」と語った。(南彰)

http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201109090741.html(朝日)

 こうして民主党政権鳴り物入りの「政治主導」は尻すぼみしてしまい、官僚天国が復活するのです。復興税や消費増税もその賜物だと言っても過言でないと思います。

 

次へ→  目次へ→