民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

■政治主導という名のやりたい放題

民主党政権の一つの「売り」が「政治主導」でした。官僚任せではなく、自分たちが積極的に官僚をリードしていくという意味でとらえていましたが、実際は違いました。

官僚の権力を抑えてというより無理矢理封じ込めて、政府の裁量の幅を大きく広げる。要は、自分たちのやりたいようにやる。官僚の邪魔はさせない。それが民主党の政治主導だったのです。

能力のある人がやりたい放題やるのならまだ回ったかもしれませんが、無能で口だけの議員たちが「自分たちには力がある」と勘違いしてやりたい放題をはじめたので、うまく回るわけがありません。

 

鳩山政権は、いの一番で政務調査会を廃し、議員立法を禁止することで、法案提出を内閣に一任する体制にしたことは先述しました。

そして大臣、副大臣政務官の政務三役が中心となって官僚を動かして政治を動かしていく「政治主導」を目指しました。検索していたら自民党高市早苗氏(衆・奈良2区)の2009年12月の国会質問主意書がでてきました。その中で経済産業大臣直嶋正行氏(参・比例区)の挨拶が鳩山政権の政治主導の方向性を表しているので紹介します。

鳩山内閣における政務三役の「権限」と「責任」等に関する質問主意書

平成二十一年十二月二日提出 質問第一五七号 提出者  高市早苗

・・・(略)

直嶋経済産業大臣は、「第百七十三回国会における直嶋経済産業大臣挨拶」において、「来年度概算要求の見直しなど、副大臣政務官とともに、政務三役が中心となって取り組んできておりますが、今後、税制改正や来年度予算編成などにおいても、国民目線に立って、無駄や非効率を排除するとともに、我が国の経済社会の将来の発展に向けた施策を重点的に推進してまいります」と述べられた。

 これは、平成二十二年度予算概算要求の見直し、税制改正、予算編成のいずれにおいても、大臣をはじめとする政務三役が省内での「権限」を持つと同時に、外部への「責任」を負う姿勢をアピールされたものであると考える。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a173157.htm衆議院

 同主意書において高市氏は、その政治主導の実態は「官僚への丸投げではないか」と指摘しています。

予算要求など各府省の意思決定プロセスにおいては、最高責任者としての「権限」をアピールしながら、既に外部に表明された各府省の意思に対する批判を受ける段になると、意思決定者としての「説明責任」を果たそうとせず、その役割を官僚に丸投げする政務三役の姿勢には、大いに疑問を感じている。

 一体、各府省の意思決定プロセスの中で、大臣、副大臣政務官の「政務三役」は、如何なる「権限」を持ち、如何なる「責任」を負うのか。

 ここから伺えるのは、政務三役の役割分担、権限、責任が明確になっていないということでしょう。権力を握ることで「自分のやりたいことを官僚に言うだけ」で仕事ができてしまうと勘違いしていることです。経済学者の池田信夫氏もブログでこう批判しています。

民主党はなぜ嫌われるのか 2016年01月31日 池田 信夫

彼らは問題を逆にみているが、日本の統治システムはきわめて民主主義的にできている。役所の課長補佐が起案し、課長が関係各省と調整し、局長が政治家と根回しした法案が事務次官会議に上がったときは、すべて決まっている。閣議はそれにハンコを押すだけの儀式だ。この過剰なデモクラシーを変えないで「政治主導」などというスローガンだけでは、何もできない。

憲法の建て前とは違って、国会は「国権の最高機関」ではなく、政策は役所がボトムアップで決める官僚内閣制だ。本来はこの統治システムを変える必要があるが、民主党政権は閣僚や政務三役が官僚に命令するだけで政治主導が実現できると考え、概算要求の変更や特別会計の削減などをやろうとしたが、役所の抵抗で何も実現しなかった。

 http://agora-web.jp/archives/1668413.htmlアゴラ)

 民主党政権の「政治主導」はなぜ失敗したのか 2016年02月02日 池田 信夫

おとといの記事が反響を呼んでいるので、補足しておく。民主党政権交代を実現した2009年のスローガンは「政治主導」だったが、彼らはこれを事務次官会議の廃止や政務三役の命令でやろうとした。それはまったく機能せず、官僚機構は動かなくなって大混乱になった。

また「政策決定の政府への一本化」と称して政務調査会を廃止した結果、官邸に仕事が集中してスタッフが足りなくなる一方、大部分の議員は官邸の決めた方針に従うだけで、ポストを失った。小沢幹事長はこれを自民党時代に戻して陳情の窓口を逆に幹事長に一元化し、意思決定の二重性はひどくなった。

http://agora-web.jp/archives/1668593.htmlアゴラ)

「俺たちが上だ、トップだ。官僚は何でも言うこと聞くんだ。これが政治主導だ。よけいな口出しさせないために、政務調査会やめちゃおう。議員立法禁止しちゃおう。地方の陳情は小沢様に一本化。あとは俺たちが官僚に指示をすればいいだけ。政治主導、こんなに楽チン楽しい政治はない。民主党ってホント最高だな。フンッ」

当時の民主党閣僚の本音を憶測すれば、こんな感じだったのではないでしょうか?

池田先生も仰るとおり「政策は役所がボトムアップで決める官僚内閣制」である現状を無視して、思うがままに権力を振り回したのが民主党政権であったということです。権力は、カネも人も動かすことができますが、状況に応じて正しい権力の振り回し方があることを理解できていないのでしょう。命令を遂行するのは官僚=人で、機械じゃないってことです。理にかなわない命令、自ら代案を示すこともなく思いつき言うだけの命令だったら、どんな優秀な官僚も動くことができません。

最低でも県外八ッ場ダム・・・。とりあえず上司の政務三役の命令だから聞いたふりはするけど、できないものはできないわけです。上が周りの状況を判断できず、組織の人を掌握するリーダーシップがなければ、政治主導なんてありえないのは明白です。

後述しますが、長妻昭厚生労働大臣などは、その典型と言えるでしょう。また、赤松口蹄疫は、この似非政治主導によって起こるべくして起きた悲劇に他なりません。

さらに池田先生が「陳情の窓口を逆に幹事長に一元化し、意思決定の二重性はひどくなった」と続けるように、小沢氏による「政党主導・幹事長主導」とも言うべき独裁的な振る舞いにより、民主党政権による政治主導は機能不全に陥ります。

 

2010年11月14日、菅政権で幹事長だった枝野幸男氏(衆・埼玉5区)は、さいたま市内の講演でこう述べています。

 「与党がこんなに忙しいとは思わなかった。政治主導なんて迂闊なことを言ったから大変なことになった。」

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「枝野さん、それを言っちゃあ、おしまいよ。」

あなたが政治家になったこと自体が迂闊です。

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