2018年9月30日、前沖縄知事の翁長雄志氏の逝去に伴う沖縄県知事選が投開票され、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する前自由党衆院議員の玉城デニー氏(58)が、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=ら3氏を破り当選しました。
玉城デニー氏は、沖縄・琉球放送のラジオパーソナリティから2002年沖縄市議選でトップ当選、2005年民主党から衆議院選に沖縄3区で立候補するも落選、政権交代を果たした2009年の衆議院選で沖縄3区・自民党前職の嘉数知賢氏を破り当選を果たします。
鳩山政権の辺野古移設への回帰が決定した時には、民主党員として政権の一翼を担っていました。当時の玉城氏の発言に次のようなものがあります。DAPPI氏のTwitterです。
鳩山由紀夫が『普天間基地は最低でも県外移設』を覆した時、玉城デニーは『鳩山総理が沖縄の基地の在り方を提起したのは素晴らしい英断だった』と県外移設を実現出来なかった鳩山を全力擁護してました。— DAPPI (@take_off_dress) September 24, 2018
玉城デニーが本気で沖縄の基地負担軽減を考えていたなら、鳩山擁護は絶対に出来ない筈 pic.twitter.com/BOQ7iwij01
そして、反対はするものの、具体的な策は持ち合わせておらず、何でもかんでも政府に反対するだけの民主党と同じ穴の貉であることが露呈しています。
玉城デニー沖縄知事 独自色も辺野古阻止の道筋描けず 2018.11.9
沖縄県の玉城デニー知事の動きが慌ただしい。今月は2回上京し、10日には那覇市内で岩屋毅防衛相と会談し、11日からは米国に向かう。就任から1カ月が過ぎ、翁長雄志前知事との違いも見せるが、公約に掲げた米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設阻止への道筋を描き切れているわけではない。玉城氏を支える勢力からも不満が漏れ始めている。
「緊張して、だんだんピクピクする」
玉城氏は9日、日本外国特派員協会での記者会見を前に、自身の頬を指さして出席者を笑わせた。玉城氏を特徴付けるのはソフトなイメージの演出だ。
政府と激しく対立した翁長氏と異なり、玉城氏は対話を重視する。9日には杉田和博官房副長官と謝花喜一郎副知事が辺野古移設をめぐり都内で会談した。玉城氏と菅義偉官房長官が合意していた政府と県による協議の初回で、玉城氏は9日の記者会見で「対話によって解決策を求めることが重要だ」と強調した。
だが、政府は移設工事を進める姿勢を崩しておらず、玉城氏が辺野古での土砂投入を阻止することは難しい。革新政党を中心とした「オール沖縄」の支援を受けた玉城氏にとって、政府との対話はもろ刃の剣でもある。
https://www.sankei.com/politics/news/181109/plt1811090038-n1.html(産経)
玉城沖縄知事、浦添埋め立て「やむを得ない」 2019.1.16
沖縄県の玉城(たまき)デニー知事は16日、同県浦添市の松本哲治市長と県庁で会談し、那覇市の米軍那覇港湾施設(那覇軍港)を浦添市の米軍牧港補給地区沿岸に移設するための埋め立て計画について、経済波及効果など将来性を考慮すれば自然破壊はやむを得ないことなど3項目を確認した。
玉城、松本両氏はこのほか、新たな施設は「新基地」ではなく「代替施設」であることも確認。那覇軍港の浦添移設が「県内移設」ではなく「那覇港湾区域内の移動」であることでも一致した。
米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設をめぐり、県は「新基地建設」として批判し、環境破壊や県内移設は認められないとしている。辺野古移設と浦添移設の違いについて、玉城氏は16日、記者団に「那覇軍港(移設)は那覇市、浦添市双方にメリットがあり、県全体の産業振興にもつながる」などと述べた。
那覇軍港の浦添移設をめぐっては、翁長雄志(おなが・たけし)前知事も容認していた。玉城氏が昨年10月に知事に就任したことを受け、松本氏が改めて3項目の確認を求めた。
https://www.sankei.com/politics/news/190116/plt1901160022-n1.html(産経)
具体的な案も持っていなければ、反対理由の一つであったジュゴンの海を守るという自然環境破壊に関して浦添の飛行場の埋め立てを容認するなど、ダブルスタンダードも明らかになりました。見事に民主党を踏襲しています。
もう一人、民主党の元重鎮が辺野古移設に関して言及しています。立憲民主党の党首である枝野元幹事長です。
辺野古移設が決まった鳩山政権時には、要職にはありませんでしたが、民主党時代に移設先を模索したと後出しジャンケンのような話です。
菅政権時代に「辺野古以外」模索 立民・枝野代表が言及 2019.1.20
立憲民主党の枝野幸男代表は20日、那覇市での集会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾=ぎのわん=市)の名護市辺野古移設について「私が官房長官のときも、実は水面下で何度か辺野古以外の解決策がないかということを若干やった」と述べ、旧民主党の菅直人政権時代に辺野古以外の普天間移設先を模索したことを示唆した。
枝野氏はこの後、視察先の辺野古で記者団から発言の趣旨を問われ「それは馬毛島の話だ」と述べ、米軍空母艦載機離着陸訓練の移転候補地である馬毛島=まげしま=(鹿児島県西之表市)に関するものだったと説明した。
枝野氏は集会で、菅政権時代に模索した「辺野古以外の解決策」について「表では一切言っていないし、今後も言わない。言ったらいろんなところに外交上の問題もあったりする」とも述べた。
枝野氏は、辺野古移設に反対する考えも重ねて強調した。立憲民主党が政権を獲得すれば米政府と交渉する意向も示したが「私が首相でも確実に短期間で米国の意見を変えさせるというつもりはない。ものすごく時間がかかるし、エネルギーがかかるかもしれない」と述べた。
https://www.sankei.com/politics/news/190120/plt1901200006-n1.html(産経)
枝野氏は立憲民主党が政権を取れば、アメリカ政府と交渉して辺野古移設を回避する主旨の話をしていますが、そんな日は訪れることは「ない」でしょう。
枝野氏自身も「ない」とわかっているから、無責任に何でも発言できるのだと思います。
辺野古移転を迷走させ、決定した当事者たちが、現在反対の声をあげてさらに混迷を深めている、これが現実なのです。