民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇八ツ場ダムのちゃぶ台返し

民主党政権がおこしたもう一つの大きな「ちゃぶ台返し」に八ッ場ダムの問題があります。

主人公は、言うだけ番長前原誠司氏(衆・京都2区)です。鳩山内閣では、国土交通大臣に任命され、初入閣で大張り切りです。いの一番に「八ッ場ダムの工事中止」を高々に叫びました。

八ッ場ダム(やんばダム)は利根川の主要な支流である吾妻川中流部、群馬県吾妻郡長野原町川原湯地先に建設が進められている多目的ダムである。2015年(平成27年度の完成予定だったが、2020年(平成32年)完成に延長されている。Wikipediaより

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そこには八ッ場ダム周辺に暮らす人々の生活、これまでの歴史などは全く考慮されていません。ただマニフェストの「コンクリートから人へ」「時代に合わない国の大型直轄事業は全面的見直し」に加え、「自民党政権時代の全否定」を理由に、政権交代の意義を世に知らしめようという勝手な願望があるだけでした。

鳩山政権発足直後の2009年9月23日前原大臣は現地を意気揚々と視察、賛否両論の地元の意見に直面するも、中止の旗を降ろそうとはしません。

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60年以上も長い間ダム建設反対運動していて、やっと賛成に回った途端に、突然勝手な理由で中止を決められたら、そりゃぁ混乱してしまいます。またここに乗じたサヨクが建設反対運動を始めるので、ややこしくなりました。そうこうしての結論は、工事再開。元の鞘に収まる。辺野古と同じ構図です。

TBSで放送された番組のホームページがありました。地元の方の混乱ぶりがよくわかるので全文転載させて頂きます。

シリーズ衆院選~年の瀬に思う
振り回された3年、八ッ場・温泉街の今(群馬県・八ツ場ダム)2012年11月28日放送

 前回の総選挙で民主党が掲げた看板政策が、「コンクリートから人へ」。中でも、政権交代の象徴となった群馬県・八ツ場ダムは工期の遅れによって、結局事業費は見込みより50億円も膨らんでしまいました。地元の人々は迷走する政治に振り回されたこの3年間を怒りを込めて振り返ります。

 群馬県の山あいにたたずむ温泉街。八ツ場ダムの建設に伴って大部分が水没するこの町で、秋の収穫を祝う祭りが行われました。祭囃子とともに聞こえてきたのは、政治への根深い不信感です。

 「僕らは国と約束をして契約を結んだので、法律に基づいてちゃんと守ってもらいたい」(川原湯温泉協会・樋田省三会長)

 「この3年間、本当にひどい目にあった」(水出耕一さん)

 「真正面ここ。左側がうち柏屋。木造3階建てのものが建ってて」(「旅館柏屋」豊田幹雄社長)

 江戸末期創業の老舗旅館を経営してきた豊田さん。八ツ場ダムの水没予定地にある旅館を一昨年休業しました。今は、国が用意する移転先に新たな旅館ができるのを待ち続けています。

 「(移転費用の)原資を食い潰して生活しているような状態なので、再建が遅れれば遅れるほど今までの常連さんが離れてしまう」(旅館柏屋 豊田幹雄社長)

 3年前。「コンクリートから人へ」のスローガンを掲げて政権を獲った民主党。その象徴が、八ツ場ダムの建設中止でした。マニフェストに書いてあることですので中止をしますけども」(前原誠司国交相〔当時〕2009年9月)

しかし、ダム構想の浮上から60年。ダムを受け入れてきた地元などが、一方的な建設中止に猛反発。「昔からさんざん(ダム建設に)反対して、自分の生まれた故郷を犠牲にして(国が)決めたことなんだから しょうがないだろうということで、やっと移転に向けて動き始めたのに、それを中止と言われたら、今までこれを捨てたのは何だったんだという話」(「旅館柏屋」豊田幹雄社長)

 

その結果、中止宣言から2年後の去年12月。

八ッ場ダムの事業継続を決定しました」(野田政権・前田武志国交相、2011年12月)

 

政府は押し切られるように、再び建設再開に舵を切りました。

「移転先の整備は全然進んでいない」(豊田幹雄社長)

しかし、移転先の整備にはめどがたっていません。温泉街を離れる人も増え、20軒あった旅館は5軒を残すだけになりました。

「ホントに無駄な3年間だったし時間を返してくれ」(豊田幹雄社長)

政権を担当した3年間で、公共事業費を32%削減したと胸をはる民主党

 「公共事業費は3年間で32%減。如実に税金の使い道は変わった」(民主党前原誠司政調会長〔当時〕9月)

 しかし、八ツ場ダムは工期の遅れによって事業費が50億円膨らんだほか、この3年間には、整備新幹線3区間東京外郭環状道路の未着工区間の建設などにもゴーサインが出されてきました。

「少し甘くなっていたことは否めないと思う」(岡田克也副総理〔11月16日〕)

さらに、被災地以外の公共事業などに復興予算が投入され、168億円が執行停止になるなど査定の甘さも。「基礎的な基盤、インフラ投資は堂々とやっていく必要がある」(自民党安倍晋三総裁) 一方の自民党も国土の強靭化などを掲げ、防災目的の公共事業にまい進する構えです。

 かけ声倒れに終わろうとしている「コンクリートから人へ」。政治に翻弄されてきた温泉街の土産物店のおかみは、あきれ顔でこう語りました。

「(ダム構想から)60年ですからホントにもう自分の人生が思うように生きられないのですから。ホントにつらいですよ」(「お福の店」樋田ふさ子さん)

http://www.tbs.co.jp/senkyo2012/preelection/shuinsen/20121128_01.html(TBS)

 50億もの追加資金がかかり、地元の方にこれだけ迷惑をかけているのです。マニフェストに書いてあったからという理由だけで・・・。ただ前原氏はその責任を感じているようには全く見えません。「少し甘くなっていた・・・」の岡田氏の発言も他人事にしか聞こえません。

そして野田政権において事業継続が決定するのです。空白の2年間はいったいなんだったのでしょう?→■八ッ場ダム事業継続の決定 - 民主党政権3年3か月の研究

追記)2019年10月13日台風19号が日本列島を襲い、関東平野でも多くの河川が氾濫し被害が広がりました。そんな中八ッ場ダムがこっそり被害拡大を抑えていたのです。

八ッ場ダム試験湛水を開始しました。
令和元年10月1日 10時40分に試験湛水を開始しました。
今後、平常時最高貯水位(常時満水位)まで水位を上昇させた後、最低水位まで降下させ試験湛水を完了させます。

http://www.ktr.mlit.go.jp/yanba/yanba00295.html八ッ場ダム工事事務所)

ゆきさんのツイートをお借りします。右は10月13日お昼前のライブカメラ画像です。

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2020年完成に向けて、試験湛水をしていたのでした。大災害を防ぐという役割を果たすために、何とか間に合いました。民主党政権のおきみやげにならずにすんだのです。

追記)2019年10月の台風19号八ッ場ダムが大活躍をしてくれたおかげで、当時の悪事のビデオなどが出てきています。その一例です。

八ッ場ダムでは住民と意見交換をしてコンセンサスを得た形での判断だ」と言いながら、あっという間に何もしていなことが露呈しています。当時の総務副大臣渡辺周氏は、現在国民民主党の副代表です。こんな人ばっかり。

この前原氏、八ッ場ダムでの失態などは何のその、JAL再生で「チーム前原」と呼ばれた「JAL再生タスクフォース」を結成、前政権のちゃぶ台返しをここでも披露します。

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