民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇マニフェストの通信簿

民主党マニフェスト2009が、いかに口だけの嘘まみれだったかを見てきました。ここで全体的に見ていきたいと思います。まずは日経新聞

民主公約、財源破綻 予算上積み6000億円どまり
子ども手当など政策見直し不可避 2010/12/19

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2011年度予算案で、民主党衆院選マニフェスト政権公約)主要政策の行き詰まりが鮮明になっている。無駄遣い削減などによる財源確保が難航し、10年度予算に比べた上積み額は6000億円程度にとどまり、予算規模は3.7兆円とマニフェストの計画の3分の1を下回る見通し。公約の破綻は明らかで、子ども手当や高速道路無料化などの公約政策は抜本見直しが避けられない。
政府は予算案を24日に閣議決定する方針。18日までの調整で、公約政策の方向性が固まった。大別すると

  (1)おおむね公約に沿ったもの

  (2)予算規模を大幅に縮減するもの(

  3)公約達成の行方が見えないもの

の3通りある。
■歳出削減など進まず
10年度に導入済みの高校の実質無償化と、11年度予算で約8000億円規模に増やす農家の戸別所得補償制度は大筋で公約に沿った。子ども手当や雇用対策は予算規模を計画より縮める。子ども手当は11年度から満額の月2万6000円の支給を始める計画だったが、3歳未満のみ月2万円への上乗せにとどめる。
12年度完全実施を目指していた高速道路無料化は11年度も一部区間のみで、規模拡大を認めない。揮発油税軽油引取税などに上乗せしている旧暫定税率も公約した廃止を見送り、達成の見込みはほぼなくなっている。
公約が行き詰まったのは新規政策の前提である財源確保ができなかったためだ。
マニフェストは歳出削減や埋蔵金発掘、増税などで4年間で16.8兆円確保すると明記していた。その計画では10年度予算で7.1兆円、11年度に12.6兆円に達するはずだったが、現実の10年度予算は概算要求のやり直しなどで3兆円強ひねり出しただけ。11年度予算の上積み額は6000億円程度となり、マニフェストの計画とのズレは大きくなる一方だ。・・・(略)

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1801V_Y0A211C1EE8000/(日経)

 次に、ネットで出回っているマニフェスト嘘一覧です。わかりやすいです。

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テレビ番組でもマニフェストの評価をしていたようですね。ツイッターで、chat_noirさんから頂きました。

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最後は、このブログの通信簿として、民主党マニフェスト2009の文章そのままの各項目をチェックしたいと思います。ブログ本文で捉えていないものもかなりありますが、私的に判断しちゃいます。?の箇所や間違っているところは、コメント欄でご教示頂けると助かります。右の矢印は、このブログ内でのリンクを貼る予定ですが、未実装です。

民主党マニフェスト2009
1.ムダづかいをなくすための政策
× 天下りのあっせんを全面的に禁止します。特別会計独立行政法人公益法人の仕事を徹底的に見直します。  
× ・官製談合と不透明な随意契約は一掃します。  
× ・国家公務員の総人件費を2割削減します。  

・国が地方に使い途を指定する「ひもつき補助金」は廃止します。  
× ・企業団体による献金、パーティー券購入を禁止します。  
× ・国会議員の世襲は禁止します。  
× 衆議院比例代表定数を80削減します。  
2.安心して子育てと教育ができる政策
× ・出産時に55万円の一時金を支給します。  
・「子ども手当」は、子ども1人当たり年31万2000円(月額2万6000円)を中学卒業まで支給します。  
・公立高校生の授業料を無償化し、私立高校生には年12~24万円を助成します。  
× ・大学生、専門学校生の希望者全員が受けられる奨学金制度を創設します。  
生活保護母子加算を復活し、父子家庭にも児童扶養手当を支給します。  
× ・空き教室などの活用で保育所を増やし、待機児童解消を目指します。  
3.安定した生活を実現する政策
× ・「消えた年金」「消された年金」問題の解決に、2年間、集中的に取り組みます。  
× ・「納めた保険料」「受け取る年金額」をいつでも確認できる「年金通帳」を、全ての加入者に交付します。  
× ・年金保険料の流用はさせません。  
× ・年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。  
× ・「社会保障費2200億円削減」は行いません。    
× 後期高齢者医療制度は廃止し、国民皆保険を守ります。    
× ・医学部学生を1.5倍に増やし、医師数を先進国並みにします。看護師などの医療従事者も増員します。    
× 新型インフルエンザ、がん、肝炎の対策に集中的に取り組みます。    
× ・ヘルパーなどの給与を月額4万円引き上げて、介護に当たる人材を確保します。    
4.地域を再生させる政策
× 中央政府の役割は外交・安全保障などに特化し、地方でできることは地方に移譲します。  
× ・国と地方の協議の場を法律に基づいて設置します。  
・国の「ひもつき補助金社会保障・義務教育関係は除く)」は廃止し、地方の自主財源に転換します。  
・国直轄事業に対する地方の負担金は廃止します。  
× ガソリン税軽油引取税自動車重量税自動車取得税暫定税率を廃止し、2.5兆円の減税を実施します。  
× ・高速道路は段階的に無料化し、物流コスト・物価を引き下げ、地域と経済を活性化します。  
・「戸別所得補償制度」の創設により、農業を再生し、食料自給率を向上させます。  
× ・畜産・酪農業、漁業に対する所得補償と林業に対する直接支払いの導入を進めます。  
× ・地域社会を活性化するため、郵政事業を抜本的に見直します。  
5.雇用と経済を育てる政策
× ・中小企業の法人税率を18%から11%に引き下げ、融資に対する個人保証を見直します。    
× ・不当な値引きや押しつけ販売などを禁止する「中小企業いじめ防止法」を制定します。    
× 職業訓練期間中に、 月額最大10万円の手当を支給する「求職者支援制度」を創設します。  
× ・常用雇用を拡大し、製造現場への派遣を原則禁止します。    
× ・中小企業を支援し、時給1000円(全国平均)の最低賃金を目指します。  
× ・同じ職場で同じ仕事をしている人の待遇を均等にして、仕事と生活の調和を進めます。    
× ・2020年までに温暖化ガスを25%削減90年比)するため、排出量取引市場を創設し、地球温暖化対策税の導入を検討します。  
太陽光パネル環境対応車、省エネ家電などの購入を助成し、温暖化対策と新産業育成を進めます。  
6.自立した外交で、世界に貢献
× ・主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくります。  
× ・アジア・太平洋地域の域内協力体制を確立し、東アジア共同体の構築を目指します。  
× 北朝鮮による核兵器やミサイルの開発を止めさせ、拉致問題の解決に全力をあげます。  
× ・国連平和維持活動、貿易投資の自由化、地球温暖化対策で主体的役割を果たします。  
× 核兵器廃絶の先頭に立ち、テロの脅威を除去します。  
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マニフェストに対する岡田氏の反省のインタビューがありましたので最後に紹介しておきます。2016年3月の雑誌・経済界です。

岡田 政治主導を実現するために、具体的にどういうスケジュールで何をするかをすべてマニフェストに書いていました。そういう意味では準備はできていたと思います。09年のマニフェストですが、私はその時既に代表を退いて3年程ほぼ無役の状態でしたが、小沢代表の下で子ども手当が倍額になるなど、マニフェストが膨れ上がっていったんですね。09年5月に小沢さんは代表を辞任して、鳩山由紀夫さんと私で代表選を戦い、私が敗れて幹事長となりました。その時に幹事長としてかなりマニフェストの見直し・圧縮をしましたが、圧縮しきれなかったことを今でも後悔しています。

民主党政権の功績と反省点、"次"への覚悟――岡田克也氏(民主党代表)×德川家広氏(政治経済評論家) | 経済界

小沢氏が膨らませたから、私は悪くないとのスタンスですね。膨らませ過ぎたマニフェストで政権を獲ったのを認めながら、この態度は腹立ちます。本来なら政権を返上するのが筋です。こういう大人が国会議員をしていることが許せません。

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