野田総理:「行革には懸命に取り組んできたつもりだったが、国民の声はより一層、身を切る改革を行えというものだ」
岡田副総理:「変わることができるものこそ生き残る(ダーウィン)。効率的で強力な政府を時代は求めている」
岡田副総理が5月に招集した「行政改革に関する懇談会」の冒頭での総理と副総理の言葉です。身を切る改革を掲げ、野田政権は2012年に入り、公務員給与や国会議員歳費の削減に取り組みます。しかし2年限定だったり、政党交付金には手を付けなかったり、国民向けパフォーマンスが色濃く、消費税増税のための布石としか受け取れないのが現実でした。一方でそれに向けた人事と組織づくりは進んでいるのです。
その一角を担うのが岡田副総理です。野田第1次改造内閣で副総理に就任した岡田氏ですが「何でも屋」のように多くの職を兼務しています。副総理、内閣府特命担当大臣・行政刷新、内閣府特命担当大臣・「新しい公共」、内閣府特命担当大臣・男女共同参画、内閣府特命担当大臣・少子化対策、行政改革担当大臣、公務員制度改革担当大臣、社会保障・税一体改革担当大臣。
こんなにいっぱい兼務して大丈夫なのか?心配になるくらいです。他のひとも混乱しないのでしょうか?こんな記事がありました。岡田副総理の「内閣府特命担当大臣・行政刷新」と「行政改革担当大臣」の兼務について読売新聞です。
行革相と刷新相、政府内からも「違い分からず」2012.1.15
二つのポストが併存するのは初めてだ。いずれも行政の見直しを担当するため、政府内からも「違いが分からない」との指摘が出ている。
藤村官房長官は13日の記者会見で、「行政刷新相は内閣府の行政刷新会議の運営を通じて行政刷新を行う。行政改革相は内閣官房で行政の抜本的な見直しを行う」と述べ、二つのポストの違いは所管する組織の違いだと説明した。
野田首相は消費税増税に向けた行革の徹底を最重要課題に位置付けており、「金看板の行政刷新をおろすわけにもいかず、併存させたのではないか」と見る向きもある。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120115-OYT1T00361.htm(読売・リンク切れ)
そして行政改革担当大臣の岡田氏を会長にした「行政改革調査会」なるものが発足します。一方で事業仕分けで名を馳せた「行政刷新会議」もあります。また5月にはこの「行政刷新会議」とほぼ同じメンバーの「行政改革に関する懇談会」が招集されているのです。
組織や肩書を増やすのは民主党政権の得意技で、何の成果もあげないで有耶無耶になるのもお約束なんですけど・・・。
岡田氏が副総理に就任した時のことを語ったインタビューがありましたので参考に紹介します。雑誌・経済界です。
民主党政権の功績と反省点、“次”への覚悟――岡田克也氏(民主党代表)×德川家広氏(政治経済評論家)2016年3月26日
德川 野田佳彦総理の時、最初の3カ月くらいは無役でいらっしゃいましたね。入閣要請を断った理由は。
特にありません。野田政権が発足する直前まで私は幹事長でした。本当はやりたくなかったんだけれど、菅総理と仙谷官房長官に言われて。「小沢問題」の処理が党の最大課題で、なかなか他の人にはできないということで引き受けました。別に小沢さんが嫌いだったからやっていたわけではなくて、やはり公人としての説明責任を果たすべきだということですね。説明をしないのであれば、党員資格停止は外せないという判断でした。しかし結果として党の半分を敵に回してしまいました(笑)。
それで菅さんの後をどうするかという時に野田さんから「代表選に出るべきだ」と言ってきましたが、「自分が出馬しても党の中が混乱する。あなたこそ出てくれ」と言って、野田さんを説得しました。私は野田さんを高く評価していたからです。総理になった野田さんサイドから官房長官にという話がきました。しかし私の考える官房長官とは、総理をしっかり支える存在。官邸の主が2人いるように見えるの政権運営上は好ましくないと考え官房長官職はお断りしました。その後3カ月くらいたってから結局、内閣最大の課題であった消費税担当の副総理ということで入閣しました。
http://net.keizaikai.co.jp/archives/20313#i-6(経済界)
「本当はやりたくなかったんだけれど・・・」岡田氏のこういう謙虚さを装った責任逃れ的な言い訳が政治家としてどうかと思うのです。元官僚のせいなのでしょうか?全く政治家には向いてないと思います。