民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇地域主権推進大綱にみる成果

この地域主権戦略大綱を実際に実行していった上で、その進捗をチェック、把握する目的で「地域主権戦略大綱」が、野田政権下の2012年11月30日に閣議決定されます。野田総理衆議院を解散したのは11月16日だったので、選挙までの駆け込み期間に閣議決定されたのでした。「地域主権推進大綱の概要」の中から成果の部分をピックアップします。

地域主権推進大綱の概要」 平成24年11月30閣議決定  内閣府地域主権戦略室

第1 義務付け・枠付けの見直しと条例制定権拡大

① 施設・公物設置管理の基準の条例委任等を盛り込んだ第1次・第2次一括法成立・施行(H23.4~)

② 職員等の資格・定数の条例委任等を盛り込んだ第3次一括法案提出(H24.3) 

第2 基礎自治体への権限移譲

都道府県の権限を市町村に移譲するための第2次一括法成立・施行(H23.8~)

第3 国の出先機関の原則廃止(抜本的な改革

アクション・プランの策定(H22.12)

出先機関の事務・権限のブロック単位での移譲については、法案化作業を実施。

地方公共団体が特に移譲を要望している事務・権限(直轄道路・直轄河川、ハローワーク関係)については、検討チームを設置し検討。

ハローワークについて、国が行う無料職業紹介等と地方公共団体が行う相談業務等を一体的に実施する取組を進めるとともに、移管と実質的に同じ状況を作る「ハローワーク特区」(浦和、佐賀)を開始。

④ ②③以外の一都道府県内で完結する事務・権限についても、検討チームを設置し検討。

第4 ひも付き補助金の一括交付金

  • 「地域自主戦略交付金」等の創設。

 H23年度 投資に係る補助金等につき都道府県向け9事業を対象。

 H24年度 指定都市へ制度を導入。対象事業を18事業に拡大。

 (6,754 億円(※沖縄振興一括交付金を含めると総額8,329 億円))

※この項目(上3行)枠線で四角に囲まれており、成果を強調。

第5 地方税財源の充実確保

社会保障・税一体改革

引上げ分の消費税収の地方分

H26.4~ 0.92%

H27.10~ 1.54%

※この項目(上3行)枠線で四角に囲まれており、成果を強調。

一般財源の総額の確保

第6 直轄事業負担金の廃止

  • 維持管理に係る負担金制度を廃止。

 第7 地方自治制度の見直し

① 議会制度や議会と長との関係等に関する改正地方自治法成立(H24.8)

② 第30次地方制度調査会(H23.8~)において大都市制度のあり方等について審議

 第8 自治体間連携等(道州制を含む

 第9 緑の分権改革の推進(地域主権型社会を支える地域活性化の取組の推進)

① 緑の分権改革モデル実証調査等を実施し、改革に取り組む団体数が順調に増加。

定住自立圏構想の推進、過疎地域で主体的に行われるハード事業、ソフト事業に対する支援。

自治クラウドの取組の進捗

地域主権推進大綱   http://www.cao.go.jp/bunken-suishin/ayumi/chiiki-shuken/doc/121130taiko01.pdf

地域主権推進大綱の概要   http://www.cao.go.jp/bunken-suishin/ayumi/chiiki-shuken/doc/121130taiko02.pdf

ざっと目を通したところ、当初の「地域主権戦略大綱」に比べて、響くものが少ないと思います。

これは法制化しました。これは地方自治体と一緒に協議して検討中です・・・。ちゃんとやっていますアリバイ的な感じが、あちこちから感じられます。第5地方税財源の充実確保において、消費税が前提となっているところも、何だかなぁ、安易で知恵がないなぁ。と思いました。

ただ、第4ひも付き補助金の一括交付金化 については、自信があったのでしょう。四角い枠をつけて強調しています。要は「ちゃんとお金を地方にバラマキました。よろしくね。」っていうことかもしれません。

「地域自主戦略交付金」等の創設。

 H23年度 投資に係る補助金等につき都道府県向け9事業を対象。

 H24年度 指定都市へ制度を導入。対象事業を18事業に拡大。

 (6,754 億円(※沖縄振興一括交付金を含めると総額8,329 億円))

一方、地方自治体側の全国知事会も、この大綱に対して手厳しい評価を下しています。

地域主権推進大綱」の閣議決定を受けて

本日、政府は「地域主権推進大綱」を閣議決定した。

大綱は、これまでの取組と成果を総括し、今後の課題と進め方についてとりまとめたものであり、地域主権改革を引き続き進めようとする野田内閣総理大臣、樽床内閣府特命担当大臣をはじめとする関係者のご尽力に敬意を表する。

しかし、衆議院議員総選挙の実施を目前に急遽策定されたものであり地域主権戦略会議や、国と地方の協議の場における地方との十分な協議が尽くされていない上、内容も、現状を追認するものが目立っており、政治主導が発揮されていると言えず、改革の羅針盤として不十分である。

今般の衆議院議員総選挙において、各政党におかれては、地方分権改革に関する議論を深めるとともに、選挙後、地方分権改革について、地方と真摯に協議し、着実に進めていただくことを強く望むものである。

平成24年11月30日 全国知事会地方分権推進特別委員長 佐賀県知事 古 川 康

http://www.nga.gr.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/2/tiikisyukennsuisintaikou%20komento.pdf

この大綱については、財務省主計局が2012年10月15日に発行したプレゼン資料「府省・分野横断的な一括交付金について」があります。その一括交付金の1ページ目を紹介します。自画自賛的です。詳しくは下記リンクをみてください。

府省・分野横断的な一括交付金の創設
・「民主党マニフェスト2009」を踏まえた「地域主権戦略大綱」(平成22年6月22日閣議決定)に基づき、平成23年度予算において各府省の都道府県向け投資補助金等の一部を一括化し、「地域自主戦略交付金」等を創設(内閣府予算に5,120億円を一括計上)。
(参考)地域自主戦略交付金4,799億円 沖縄振興自主戦略交付金321億円
・これにより、箇所付け等による各府省の事前関与を廃止し、地域の自主的な選択に基づいて 事業を実施するための交付金を交付することとした。
平成24年度予算においては、「地域自主戦略交付金」については、対象事業を拡大したほか、政令指定都市にも一括交付金を導入(6,754億円)

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia241015/03.pdf財務省

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