マニフェストにおいて、あれだけ大声で訴えていた高速道路無償化は、財源が見つからず、あっさりと手を引いてしまいました。
日経新聞の記事をご覧ください。
「高速無料化」中止 民主政権、財源巡り迷走 2011/5/1
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そもそも「休日(土日・祝日)上限1000円」は麻生政権時代の2009年3月に「2年間の期限つき」で導入された。その財源は日本高速道路保有・債務返済機構が抱える約40兆円の借金のうち、3兆円を国が肩代わりしてさまざまな割引を実現する変則的な「打ち出の小づち」方式だった。
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その後、民主党は09年の衆院選で「12年度までに原則無料化」を公約に掲げて圧勝。必要な予算は1兆3000億円と見積もった。鳩山政権が誕生すると、まず東名、名神高速などを念頭に10年度予算案の概算要求に6000億円盛り込んだ。
しかし予算編成は難航。10年度予算に盛り込まれたのは1000億円にすぎず、全体の2割程度にあたる地方路線50区間(約1600キロメートル)の導入にとどまった。
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2010年4月に前原誠司国土交通相(当時)は「普通車で上限2000円」とするなど、曜日を限定しない新たな料金制を導入すると発表した。ところが「この料金制度では一部で値上げになってしまう」と小沢一郎民主党幹事長(当時)の反対で差し戻しになる。
政府と民主党が合意したのは10年12月。民主党が惨敗した参院選後だ。「普通車で休日上限1000円、平日上限2000円」とする制度で、今年4月導入予定だった。しかし東日本大震災の被災地復旧・復興の財源が他に見つからず、導入は幻となった。
今回の料金の見直しでは、民主党国土交通部門会議が了承を見送ったまま、政府と党執行部は中止を決定。政府は東北地方の高速道路無料化を検討しているが「誰がどこで何を決めているのか、わからない」(川内博史衆院議員)と党内に今も不満はくすぶる。
https://www.nikkei.com/article/DGXNZO27718670Q1A430C1TCG000/https://www.nikkei.com/article/DGXNZO27718670Q1A430C1TCG000/(日経)
実現できたのは、地方路線50区間(約1600キロメートル)の導入のみ。最後は、東日本大震災のせいになってしまったようですが、それでも全面無償化とは程遠い内容でした。決定の経過において、小沢一郎氏が大きな影響力を行使していることが印象的です。