2007年9月26日、福田康夫政権が誕生します。
中国に媚びを売る総理としてどちらかといえばネットでは嫌われている福田総理です。長野冬季五輪の聖火リレーで中国人の狼藉を見てみぬふりをしてやりたい放題させてしまったり、ガス田開発であやふやな対応したりで「全方位土下座外交」と夕刊フジで揶揄されていました。
一方でネットにおいて、その実績が一部認められてきています。「東シナ海のガス田開発に関する日中合意」で中国の主張する国境線ではなく日本が主張する国境線を事実上認めさせています。また「新テロ特措法」の成立、道路族に負けず「道路財源の一般財源化」を閣議決定、北京五輪への皇室出席要請拒否、竹島は日本の領土であると教科書に明記を決定など、結構やることやっているのです。さらにリーマンショックに対し無駄な公金投入をしなかった実績があります。毎日新聞の記事からです。
外貨準備:政府が米金融2社救済案 08年8月に支援検討 2009年10月6日
米政府系住宅金融機関2社が経営危機を迎えていた08年8月下旬、日本政府が外貨準備を使って両社の支援を検討していたことが5日、関係者への取材で分かった。入札不調に終わる懸念があった2社の社債数兆円を、日本政府が買い支える計画だった。世界的な金融危機に陥る瀬戸際とはいえ、公的資金で外国の金融機関を救おうとしたことは極めて異例で、経済的に密接不可分な日米関係の特殊性を明らかにする事実といえる。
金融機関2社は、社債で調達した資金で金融機関から住宅ローンを買い取り、証券化商品に組み替えて投資家に販売しているフレディマックとファニーメイ。両社が発行した住宅ローン担保証券の残高は約6兆ドル(約540兆円)と米国の住宅ローン残高の半分を占め、世界の金融機関も広く保有していた。両社が経営破綻(はたん)すれば、日本を含めた世界の金融システムに深刻な影響を与えることは確実だった。
日本政府では、限られた財務省幹部が米財務省と緊密な連携をとりながら、外貨準備から数兆円を拠出して両社の社債を購入する救済策「レスキュー・オペレーション(救済作戦)」という名の計画を立案。通常は非公表の外貨準備の運用内容をあえて公表し、日本の支援姿勢を打ち出して両社の経営に対する不安をぬぐい去ることも検討した。
しかし当時の伊吹文明財務相が慎重論を主張し、9月1日の福田康夫内閣の退陣表明で政府が機能不全に陥ったため、実現しなかったという。米政府は9月7日、公的資金を投入して両社を国有化し救済したが、同月15日には米リーマン・ブラザーズが破綻し、結局、金融危機の深刻化は防げなかった。
伊吹元財務相は毎日新聞の取材に「大臣決裁の段階にはなかった。しかし、米国の経済危機が目前に迫る中、日本の外貨準備で損失が出かねない資産を購入すべきでないという当たり前の判断だ」と述べた。
http:// http://mainichi.jp/select/today/news/20091006k0000m020130000c.html(毎日・リンク切れ)
結果として、幸いなことにリーマンショックに日本の財源をつぎこむことがなかったのです。このように意外と実績がある福田内閣ですが、今でも引きづっている政策があります。それは「留学生30万人計画」と称し、優秀な留学生に月15万円もの奨学金を支給するという政策です。文部省のWEBページからです。
「『留学生30万人計画』の骨子」とりまとめの考え方 平成20年4月25日 文部科学省
日本を世界により開かれた国とし、アジア、世界との間のヒト・モノ・カネ・情報の流れを拡大する「グローバル戦略」展開の一環として位置付け、2020年を目途に30万人を目指す。・・・(略)
3) 留学にかかる費用
教育研究の質のみならず、授業料や生活費など留学にかかる費用の多寡も、留学先を決める上で重要な要素である。一方で、学資を得る手段としての奨学金の措置の有無やアルバイトの可否なども重要である。・・(略)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/houkoku/attach/1249711.htm(文科省)
日本の奨学金制度が貸付かどうかで昨今の問題となっている中、授業料免除の上、生活費を月に15万円程度支給、さらに交通費、一時帰国の費用まで支給する制度です。当時の留学生の7割は中国人でしたから、中国優遇政策としてネットでは批判の的となりました。しかし、あまり報道されていないので、知らなかった方が多いと思います。一部には、この制度が民主党政権のおきみやげと誤解している方もいらっしゃいます。そう思いたくなるのも頷けますが、間違いは間違いです。
いこの制度は、今でも続いています。中国には2010年に制定された国防動員法があり、有事には日本にいる中国人全員が兵士となりうることを考えると、税金を使ってのこのような優遇措置は敵国のスパイを自国の金で育成しているような危険性を否定できません。
福田氏は、最近(2018年6月24日)になって「南京大虐殺記念館」を訪問し、「過去の事実を正確に理解しなければならない。もっと多くの日本人が記念館を参観すべきだ」と余計な発言をしてその媚中ぶりを発揮しています。困ったものです。
2007年11月、福田総理と民主党代表の小沢一郎氏との会談が行われ、連立政権に向けた協議が行われました。「大連立」です。しかし小沢氏は、あくまで政権交代を目指すと、その提案を拒否しました。
この時、小沢代表は「民主党は政権担当能力が本当にあるか。ある意味で今一歩という感じだ」と発言しています。この時点では、小沢氏は民主党の実力を正確に把握していたのでしょう。
2009年5月政権交代の前、小沢氏は自らの公設秘書が西松建設疑惑関連で逮捕され民主党代表を辞任、代表代行として選挙で剛腕をふるう役割を任されます。
そして2008年9月1日、福田総理が突然の辞意を表明します。その時有名なあの言葉が発せられました。
官邸のホームページから引用します。
福田内閣総理大臣記者会見 2008年9月1日
・・・(略)
(問) 一般に、総理の会見が国民には他人事のように聞こえるというふうな話がよく聞かれておりました。今日の退陣会見を聞いても、やはり率直にそのように印象を持つのです。安倍総理に引き続く、こういう形での辞め方になったことについて、自民党を中心とする現在の政権に与える影響というものをどんなふうにお考えでしょうか。
(問) はい。
(総理)それは、順調にいけばいいですよ。これに越したことはないこしたことはない。しかし、私のこの先を見通す、この目の中には、決して順調ではない可能性がある。また、その状況の中で不測の事態に陥ってはいけない。そういうことも考えました。
他人事のようにというふうにあなたはおっしゃったけれども、私は自分自身を客観的に見ることはできるんです。「あなたと違うんです。」そういうことも併せ考えていただきたいと思います。
(総理)どうもお世話になりました。
https://www.kantei.go.jp/jp/hukudaspeech/2008/09/01kaiken.html(官邸)