民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

■民主党政権の危機管理② 俺が、私が、劇場型の危機管理

ここまで、東日本大震災民主党政権の対応を見てきました。自衛隊トモダチ作戦、そこにはいくつもの感動の物語がありました。しかし菅政権に関しては皆無と言っていいほど、その手の感動話がありません。出てくるのは、「現場の邪魔してる」、「口だけで何もしてない」のような「俺が、私が」としゃしゃり出る自意識過剰と無能をさらけ出しているパフォーマンス話ばかりです。私がそういう話ばかりを選んでいると言えばそれでおしまいですが・・・。実際に検索してみても出てこないでしょう。

それはなぜでしょうか?

国民と本気で向き合っていないからです。国民の方を向いているフリをしていますが、実は自分が手柄を立てることしか考えていないのです。飯館村の村長さんが、「菅政権には心がない」ようなことを仰っていましたが、その通りなのです。

そして菅政権の東日本大震災の対応の記事と、安倍政権の災害対応の記事を読んでいるうちに両者の大きな違いがわかったような気がします。

菅政権の記事は、「誰がやった」が記事となっているのです。

安倍政権では、「何ができたか」が記事となっているのです。

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東日本大震災では、やたら数多くの登場人物が現れます。菅総理をはじめ、枝野官房長官蓮舫氏、岡田氏、細野氏、海江田氏、辻元氏、安住氏、玄葉氏・・・・。

枝野官房長官は、地震後の2週間で39回も記者会見を行っています。菅総理は福島行ったり、東電に乗りこんだり、避難所巡りをしたり、蓮舫氏が都内のコンビニを報道陣連れて回ったり、岡田氏が現地に行けば、枝野氏も負けじと乗り込み、海江田氏が消防隊を恫喝したとニュースになります。

各閣僚が報道陣連れて自らがニュースの現場となる裏で、福島の状態も復興もあまり進んでいないのです。進んでいないのを国民にごまかすための報道パフォーマンスだったのだと思います。劇場型の危機管理、民主党政権にはそれが精一杯だったのでしょう。

安倍政権の災害対応では、時々安倍氏が自ら被災地に赴くことがある以外、担当する大臣がしゃしゃりでてくることはほとんどありません。マスコミが自衛隊の活動を映すくらいで、卒なく着々と一歩一歩復興に取り組んでいるのです。

卒なく着々と一歩一歩、これが民主党にはできない。

 これは民主党に綱領がなかったことと無関係ではないと確信しています。

組織として動くことが基本的にできない。そういっても過言ではないと思います。一人一人が選挙で当選することを第一義に考え行動しているから、自然とカメラ写りを狙って俺が私がのパフォーマンスに陥るのです。手柄を奪うことがあっても、手柄を譲ることはなく、みんなで何かを成し遂げようとしても自分だけが目立とうと抜け駆けする。万事がそんな感じ。この東日本大震災でもその悪いところが出てしまったのでしょう。

 そして新しい組織を山ほどつくって、仕事をした気分に浸るのと同時に、自分の責任を回避を目論むのです。組織の乱立は、責任回避の汚れの首輪です。責任の所在を分散化して見えなくするのです。

目立ちたいけど、責任とりたくない。

国会で自民党村上誠一郎氏(衆・愛媛2区)が、細野氏に質問します。「だれが中心で作業しているのか、だれが責任者でやっているのか、全くこっちには見えないんですが、だれがこういうことを企画立案して、ヘッドクオーターとしてやっているんですか・・・」

こういうことなのだと思います。国会議事録です。

20111108日 衆議院予算委員会

○村上(誠)委員 ・・・(略)

 そしてまた、はっきり申し上げると、この最初の取り組みについても、今から質問しますけれども、だれが中心で作業しているのか、だれが責任者でやっているのか、全くこっちには見えないんですが、だれがこういうことを企画立案して、ヘッドクオーターとしてやっているんですか。説明できる方、教えてください。

○細野国務大臣 まず、東京電力の福島の原発については、これを所有し運営をしているのは東京電力でございますので、東京電力に大きな責任がございます。

 ただ一方で、これだけ本当に厳しい事故が起こっているわけですので、一民間企業にそれを任せるわけにはいきませんので、政府にも東京電力同等もしくはそれ以上の責任があるというふうに考えまして、それで統合対策室をつくって作業を進めてまいりました。

 その責任者は、当初は海江田大臣ということで、私がサポートをしておりました。その体制から、私が閣僚になりまして、枝野大臣ももちろん大きな役割を果たしていただいておりますけれども、実質的には私が、東京電力の役員と、責任を持ってさまざまな重要な決定については携わっているということでございます。

○村上(誠)委員 では、ここまで長引いているのは、あなたの責任だということですね。

○細野国務大臣 いろいろと皆さんに御心配をおかけしておりまして、世界にも、まだこれで収束という状況に至っていないということに関しては、大変申しわけなく思っております。そのすべての責任は私にございます。

 といって、細野氏が何か責任を取ったという話は一向に聞こえてきません。その場しのぎ口だけの責任の所在。それが民主党です。東日本大震災の不祥事で誰か責任を取った議員いますか?皆無です

菅直人氏が、2018年の梅雨前線による豪雨災害に際し、ブログで発信した記事です。

 安倍総理は危機管理ができるのか 2018-07-15

今回の豪雨災害に対する安倍総理の対応を見ていて、本当に安倍総理に危機管理ができるのかという疑問が強くなりました。 7月5日の「赤坂自民亭」の宴会も危機感のなさの表れです。3・11の時は地震発生直後からの1週間は危機管理にあたる担当者は私を含めほとんど寝る暇もありませんでした。・・・・
野党攻撃には強い安倍総理ですが、危機管理には全く向きません。一日も早い退陣が望まれます。

 https://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-12390900897.html(菅氏アメブロ

「おまいう=お前が言うな!」と声を出して叫びたくなります。東日本大震災の時に危機管理の「き」の字もできなくって被害を拡大させたのは誰や!。現場に乗りこんで邪魔して、情報隠蔽して、議事録取らせなくって・・・

国会事故調の最終報告は、まさにそのことを指摘しています。

当委員会は、事故の進展を止められなかった、あるいは被害を最小化できなかった最大の原因は「官邸及び規制当局を含めた危機管理体制が機能しなかったこと」、そして「緊急時対応において事業者の責任、政府の責任の境界が曖昧であったこと」にあると結論付けた

この時民主党政権を担った方々は、全く反省していないように見えます。この政権の失態がなかったかのように、上から目線で偉そうな言動が目立つのです。そういう姿勢が野党の支持率が上がらない大きな要因になっていることに気づくことができないのです。

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