「政党助成法」とは、20歳未満を含む全ての国民から毎年1人当たり250円を強制徴収し、それを議員数に応じて政党に「政党交付金」として振り分けるものです。「企業団体献金の禁止」を5年を目途に実現することを大義名分に成立しましたが、その大義名分はなし崩しになってしまったのは、現状を見れば明らかです。総務省のページからです。
【政党交付金公布の詳細】
・政党交付金の総額: 最近の国勢調査の人口に250円を乗じて得た額を基準
(平成22年国勢調査人口により算出すると約320億円)
・政党交付金の額: 政党に所属する国会議員の数と、前回の衆議院議員総選挙、
前回と前々回の参議院議員通常選挙の際の得票数で決定
・各政党への交付: 毎回1月1日を基準日として金額を算出し、年4回に分けて交付
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/naruhodo02.html(総務省)
当時衆議院で圧倒的な議員数を誇っていた民主党には、年間約165億円の政党交付金が入ってきました。
2012年度の民主党の政治資金収支報告書は次のようになっています。
収入:379億円 政党交付金 165億円 前年繰り越し 183億円
支出:160億円
繰越:218億円
何と200億円以上の繰越金があるのです。そして金庫番としてフランケン・岡田副総理が、がっちりと鍵を握って支出を抑え、ケチケチぶりを発揮しています。
→◇政党交付金と金庫番の岡田氏 - 民主党政権3年3か月の研究
身を切る改革と言いながら、この莫大な政党交付金に手をつけないところが民主党らしいところです。
しかし、野田総理は11月に解散しました。1月まで待てば、来年の政党交付金が1月1日の在籍数で金額が算出されるので、165億円(離党者がいるので減りますが)近くの交付金を1年間受け取ることができたのです。その点においては、野田総理は潔かったといえるでしょう。
しかし、一方で離党した小沢氏のグループの分もネコババしているのです。日刊ゲンダイからです。
離党者60人分まで…民主党政党助成金10億円丸儲け 2012/8/27
ところが、その後、小沢グループを中心に約60人が離党。なのに、民主党は390人分、丸々、受け取るつもりなのだ。すでに「7月分」を受給し、総選挙がなければ「10月分」「12月分」も自動的に党の金庫に入る。その額、合わせて10億円。さすがに、国会でも「離党者分の10億円は国庫に返却すべきだ」と迫られたが、野田首相は「規定にない」と一切、返却しないつもりだ。政治評論家の有馬晴海氏がこう言う。
「支持率が下落し、党独自の政策もない民主党にとって、もはや頼りは巨額な政党助成金だけです。これ以上、離党者を出さないようにカネで縛っているようなところもあります。消費増税法案に賛成したら100万円、夏の氷代として400万円と、頻繁にカネを配っている。しかし、いま解散・総選挙が行われたら、150人は落選するとみられているから、60人の離党者分と合わせて、単純計算でも210人分の政党助成金を失ってしまう。だから、絶対に年内には解散したくないはずです。しかし、少なくとも離党者分の10億円は国庫に返すべきです」
民主党政権も定数是正とか言う割には政党助成金には何も言いませんでした。
政党助成金を受け取らない政党として日本共産党があります。潔いという評価もありますが、彼らは彼らで「しんぶん赤旗」の押し売りという彼らなりのビジネスを行っているのです。
まぁ、先の官房機密費といい政党助成金といい、お金に関して堂々と人のことをあれころ言える立場にないというのが民主党の系譜の人々です。