民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇削減対象ダム・83事業のうち中止は15事業

民主党政権下で中止とされたダム事業は八ッ場ダムだけではありませんでした。実態も把握せず中止、中止と叫んで、結局ヘタレてしまった。現場を混乱させただけだったのかもしれません。東京新聞の記事です。

公共事業削減 対象83ダム 中止は15 民主、相次ぎ転換 2012年11月24日
民主党政権が「脱ダム」方針の下に進めてきたダム検証で、本体工事に入っていない検証対象の国や道府県の八十三事業のうち、中止を決めたのはわずか十五事業にとどまっていることが分かった。
政権交代後、無駄な公共事業の削減を目指す目玉政策だったが、推進の判断が相次ぎ、ダム利権が温存される結果となっている。
八十三事業のうち、国土交通省独立行政法人水資源機構が事業主体なのは三十事業。このうち熊本県・七滝ダムと群馬県吾妻川上流総合開発に続き、今月に入り長野県・戸草ダムが中止となった。いずれも調査や地元説明の段階だった。
逆に、北海道・サンルダムや福井県足羽川ダムなど四事業が推進となり、残る二十三事業が検証中だ。
一方、道府県が事業主体だが国が建設費の約七割を負担する「補助ダム」は五十三事業あり、九県の十二事業が中止に。田中康夫・元長野県知事の「脱ダム宣言」で休止していた黒沢生活貯水池など続行の見通しがなかった事業の中止が目立つ。
補助ダムは道府県の検証結果を国の有識者会議に諮り、国は中止か推進を判断する。十七道府県が「推進が妥当」とした事業のうち、有識者会議が判断を保留しているのは島根県の二事業で、二十三事業は追認した。十八事業は検証が続く。
検証の対象となったダムの総事業費は約五兆円に及び、中止分は約四千五百億円。事業費四千六百億円の八割が投じられた群馬県・八ッ場(やんば)ダムなど事業費の多くが既に支出された事業もある。
ダム検証の行方について国交省治水課は「いつまでに終えられるかは分からない」としている。
公共事業問題に詳しい五十嵐敬喜法政大教授は「衆院選後、もし自民党政権に戻れば、ダム検証が中止されたり、中止の事業が復活される可能性もある。
不要なダムを造り続けてよいのか。このままでは膨大な借金とダムの残骸が積み上げられていく。真剣に考える必要がある」と話す。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012112490070328.html(東京・リンク切れ)

左系の東京新聞なので、ダム事業を悪・利権としての視点で書かれていて治水に触れていませんが、民主党政権におけるダム事業の中止と、中止の中止の実態がよくわかります。

一例として熊本県の川辺川ダムをとりあげます。既に住民の住居の移転も終わっていましたが、民主党政権が中止とした例です。

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国土交通省九州地方整備局のWEBページには、住民と自治体が一緒になってダムに沈む予定だった土地を観光などで盛り上げている様子が掲載されています。

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http://www.qsr.mlit.go.jp/kawabe/dam/suibotu.html国土交通省

ただし川辺川ダムは完全に中止になったわけではないようです。その辺りを毎日新聞の記事でご覧ください。

ー川辺川ダム 熊本県知事の建設白紙撤回から10年 「ダムによらない治水」の今はー 2018年9月11日
 熊本県の蒲島(かばしま)郁夫知事が、球磨川水系で進められていた国の川辺川ダム建設計画の白紙撤回を表明して11日で10年となった。表明1年後に誕生した旧民主党政権が中止を決断し、ダム計画は休眠状態となったが、特定多目的ダム法に基づく廃止手続きはとられておらず、ダム計画は法的に今も生きている。ダムによらない球磨川水系の治水を考える国、県、地元自治体の協議は決着しておらず、計画が息を吹き返す可能性も残っている。【福岡賢正】
 「『現在の民意』は川辺川ダムによらない治水を追求し、いまある球磨川を守っていくことを選択している」。2008年の9月県議会の冒頭、蒲島知事は世論を根拠に川辺川ダム計画の白紙撤回を表明した。ただし「『未来の民意』については、人知の及ぶところではありません」とも述べていた。
 川辺川ダムは1965年7月に球磨川流域で起きた戦後最大の水害を機に、翌66年、国が治水専用ダムとして計画を発表した。2年後に農業利水と発電が目的に加えられて多目的ダムになったが、90年代にダムによる環境破壊を懸念する住民や川漁師らが反対運動を起こし、2003年には利水事業の正当性を争う訴訟で国が反対農民に敗訴。07年に利水と発電の事業者である農林水産省電源開発がダム計画から撤退し、再び焦点は治水に絞られた
 蒲島知事が白紙撤回を表明したのはその翌年。知事は「治水の方法論として、その地域なりの要望をよく聞き、流域に暮らす人たちの理解を得ながら進めていくというのがあるべき姿」などと述べた。
 その言葉を実現するために設けられたのが「ダムによらない治水を検討する場」だ。「新設ダム以外の治水策を極限まで検討する」として、国土交通省九州地方整備局と県河川課、流域市町村が案を出し合って治水対策を積み上げていき、6年間の協議の末、堤防強化など17項目の対策をまとめ順次実行に移している。
 だが、全ての項目を実施しても一部自治体では5年に1度の確率で洪水被害が起きるとのシミュレーション結果を国が示したため、「治水安全度が低すぎる」と市町村が反発。県は河川監視カメラの設置など防災・減災のためのソフト対策費用の3分の2を補助する支援を始めた。しかし、あくまでもハード事業によるリスク軽減を求める市町村側は納得せず、県は新たな枠組みとして、国、市町村と共に「球磨川治水対策協議会」を設置し、戦後最大の洪水を安全に流せるハード対策を策定すべく協議を続けている。
 一方、国は蒲島知事の白紙撤回表明前年の07年に策定した「球磨川水系河川整備基本方針」を今も堅持している。この基本方針は川辺川ダムによる洪水調節を前提としたもので、国は「検討する場」でも途中まで「ダム治水が最適」と主張していた。このため「国の本音は今もダム」と見る流域首長もいる。
 「検討する場」の初回から全会合を傍聴してきた住民団体の幹部は「ダムの事業主体である国が論議を主導する限り、現実的なダムの代替案は出てこない。10年やって結論が出ないのはやり方が間違っているからで、県が主導し、ダムに批判的な専門家も加えて検討すべきだ」と訴える。
観光客4割増…五木村の水没予定地
 一方、川辺川ダムにより中心部が湖底に沈む予定だった同県五木村は変化をみせている。水没予定地の住民がほとんど移転を終え、ダム湖を生かした観光振興を進めようとした矢先の白紙撤回表明に当初、村は猛反発した。だが、県などの振興策が功を奏して観光客が4割増えるなど元気を取り戻しつつある。
 「可能な限りここで暮らしたい」と、最後まで水没予定地に残って昔ながらの自給自足的な生活を続けていた尾方茂さん(91)の家を訪ねると、代替地に住む義弟の木野辰喜さん(79)が草刈り機で敷地内の草を払っていた。尾方さんは足が不自由になったため2年前に村外の福祉施設に入り、空き家となった家や田畑を自分が管理しているのだという。 「1年放っておいたら草ぼうぼうになる。もったいなかけん、毎年田んぼにゃそばを植えとります」。そう語る木野さんに、この10年を振り返ってどう思うか聞くと、「あんまり大きな声じゃ言われんかもしれんばってん」と前置きしてこう続けた。「ダムができんで良かった。できとったら村の宝の川辺川の清流が無くなってしまっとるところだった。今じゃ住民はほとんど、できなくて良かったなあと言ってますよ」
 尾方さんの家を除く約500世帯が移転して、広大な空き地が広がっていた村の水没予定地には、4年前から林業施設や全天候型屋根付き広場を備えた公園などが次々に完成し、今もアウトドア施設やコテージ(貸別荘)などのレジャー施設の建設が進められている。 これらはダム計画中止後の村の振興策を話し合う国、県、村による3者協議に基づいて整備されている。今月7日に村役場であった協議でも和田拓也村長が「日本一の清流、川辺川の景観を楽しんでいただける最適の立地なので、観光振興と雇用の場の創出を促したい」と水没予定地活用へ期待を込めた。
 村や県によると、2008年8月末に1405人だった人口が今年7月末には1115人と、10年で2割減少するなど人口減に歯止めはかかっていない。しかし、2008年度に12・7万人だった村内への観光客は、17年度には17.4万人と4割増え、木材生産も1万1700立方メートルから2万9300立方メートルへと2.5倍になるなど基幹産業の観光と林業は好調だ。15年度に15歳以上の村民を対象にしたアンケート調査でも、村が振興している「実感がある」が45%で、「実感がない」(13.4%)の3倍以上だった。
 振興策の一つとして昨年4月に村役場近くに開館した「五木村歴史文化交流館ヒストリアテラス五木谷」は、国内外のさまざまな木のオモチャで自由に遊べる「こどもかん」が人気で、休日には村外から訪れる親子連れでにぎわう。
 同館で働く高田律子さん(38)は「今年の夏も川遊びがてら大勢の方に立ち寄ってもらった。お盆の期間(8月11~19日)だけで、村の人口に匹敵する1000人以上が入館したんですよ」と声を弾ませた。
頻発する豪雨災害 問われるダムの有効性
 ダム事業は公共事業の中でもとりわけ事業費の増大や環境への影響が問題視され、長年見直しの議論にさらされてきた。最近では記録的豪雨による水害が相次ぎ治水の重要性が高まる一方、ダムの有効性や運用方法も問われている。川辺川ダムのように賛否に揺れる事業は、迷走が深まる可能性もある。
 ダムの是非の論議が活発になったのは「コンクリートから人へ」と訴え、公共事業の削減を図った旧民主党政権が誕生した2009年だ。当時の前原誠司国交相は川辺川ダムや八ッ場ダム群馬県)を中止する考えを示すとともに、国の直轄や補助による全143のダム事業の見直しを表明した。
 そのうちの着工中などを除く83事業について、同年12月から有識者会議が検証を開始。54件が「継続」、25件は「中止」と結論づけられたが、残り4件は未定で検証作業はまだ続いている。ただ、中止とされた事業も検証前から事実上止まっていたものが多かった。地元自治体が中止に反発していた八ッ場ダムも検証で「継続」とされて事業は復活した。 有識者会議は治水対策の方向性として「地球温暖化により大雨の頻度が増加すると考えられる」と安全度の低下を招かないことをポイントの一つとしていた。指摘通り最近は豪雨災害が頻発しているが、記録的豪雨による大水害はダムの限界や、管理の難しさも浮かび上がらせている。
 7月の西日本豪雨では愛媛県の野村ダムと鹿野川ダムの大規模放流後に肘川が氾濫し、住民から「人災」との批判が上がっている。国交省四国地方整備局は両ダムについて、操作や災害時の情報提供の検証に乗り出す事態となっている。
 大熊孝・新潟大名誉教授(河川工学)は「ダムは生態系を破壊し、土砂も堆積(たいせき)するため根本的には取るべきではない手法」とした上で「近年、越水をしても簡単に破堤しない堤防強化の技術や、土木機械は飛躍的に進歩し、河川改修はダムより安く、短期間にできるようになった。だが、国はダムに傾倒しその技術を十分、反映させていない。さらにダムは計画の想定を上回る雨が降れば機能しなくなる。多少あふれても破堤をしないよう堤防を強化するなど、治水対策は河道改修中心に転換すべきだ」と訴える。

https://mainichi.jp/articles/20180911/mog/00m/040/007000c(毎日)

川辺川ダムの中止に伴う流域の景観の保存と地域の活性化は、民主党政権の中止策が自治体の意向と合致し、結果的に良い方向に向かったと言えるでしょう。
しかしここ数年、毎年のように大きな水害が発生しています。水害に対する備えを従来の延長線上で考えるわけにはいかなくなってきたのが現実です。ダムに関しても長期スパンでの計画的な取り組みが必要とされているのでしょう。
「何でも反対」でダム事業を混乱させた民主党政権みたいなやり方は、もってのほかですが・・・。

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