「別に何か間違ったことをやったから責任を取るということは全くありません。」
2011年8月23日 衆議院財政金融委員会で当時たちあがれ日本の中山恭子氏(参・比例区)の質問に菅総理は「何かが間違っているから辞めるんじゃない」と何度も繰り返して強調しています。

2011年8月23日 衆議院財政金融委員会
○中山恭子君 ・・・(略)
それと、今回責任を取られるということですが、これまで総理は、自分に責任があります、責任は持っていますというお言葉が何度も使われておりました。ただ、その後で、責任を逃げるわけにはいかないので責任を果たさねばならないというお言葉がその後に続きました。で、全力を挙げて取り組んでまいりますという、そういうロジックになりました。
責任という日本語の、二つ意味がある、この二つを上手に使い分けていらしたんだろうと思いますが、やはり責任がある場合には、何か事が起きたときには責任を取るということでございまして、今回いろんな問題がございます。東日本震災への対応の問題、原子力発電所の事故の対応の問題、経済回復、雇用、TPP、普天間、領土問題、円高、どれも総理在任中に問題になった案件でございまして、まだその解決に至っておりません。こういったことを考えて責任を今回お取りになるんだろうと思いますが、是非これからも大きな意味で日本のために尽くしていただけたらと思っております。
今日、私自身の質問はこれで終わります。
○委員長(藤田幸久君) 今国会の総理としての最後の質問になるかと思いますので、どうぞ思いをおっしゃっていただいて結構でございますので。
○内閣総理大臣(菅直人君) 本当に温かい御質問をいただきまして、ありがとうございました。
確かに責任というのには、責任を果たすという意味での責任と、何か間違ったことをやったから責任を取るという責任、若干違うと思います。私は今回、代表あるいは総理を辞すると決意したのは、別に何か間違ったことをやったから責任を取るということは全くありません。全くありません。
・・・(略)
ですから、今回の私が代表や総理を辞するという決断をしたのは、決して何かが間違っていたから責任を取るということではなくて、党のそうした代議士会の中で、ある意味でめどが付くまで責任を果たすことが必要だと、あの段階で多くの仲間がいわゆる造反ということになると内閣としても機能がしなくなってより混乱を国民の皆さんにも与えることになると、そういう判断で私自身が申し上げた。ある意味では党内に向けての約束をきちっと果たすことがやはりまさに政治家のけじめであろうと、こう思ったわけでありまして、そのことは御理解いただけるかどうかは別として、私の真意であることをこういう場で発言させていただく機会を与えていただきまして、どうもありがとうございました。
この時の動画がありました。中山氏は可愛いお声でかなりきつく菅総理に迫っています。菅総理がやたらと「何かが間違っているから辞めるんじゃない」を繰り返しているのは、自身の心の中にある疚しいものを中山氏の言葉につかれたからに違いありません。
もう一つこの発言からわかるのは、菅氏は「党」及び「党員」のために辞めるということです。国民に迷惑をかけたからとか微塵も思っていないことがこの発言からわかります。
とにかく潔さに欠ける菅総理ですが、三つのお願いが整った2011年8月26日、とうとう辞任を宣言します。