民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇空き缶総理の「辞める辞める詐欺」

内閣不信任案は菅の奸計によって否決されました。まんまと、これにひっかかった鳩山氏は、菅総理を「ペテン師」と罵り、悔しさをにじませます。

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朝日新聞です。

鳩山氏「約束守れなかったらペテン師」 菅首相を批判 2011年6月3日

・・・(略)

「昨日は内閣不信任案が可決する勢いだった。野党の力で辞任させられるよりは自身の意思で辞任表明してもらいたいと考え、首相官邸に行った。復興基本法(成立)と2次補正予算編成のめどが立ったらお引き取りいただく。首相は「それで結構」ということだった。政治家同士だから、約束したことを守るのは当たり前だ。できなかったらペテン師だ。二つの確認事項が守られたら辞任するということが2人の確認だ。」

 ――退陣しなかったらどうするか。

「(2日夜の記者会見は)確認事項を無視するような発言に聞こえた。どうも先送りする意向だ、と。不信任案が可決されそうな時は辞めるといい、否決されたら辞めないという。こんなペテン師まがいのことを総理がしてはいけない。人間の基本にもとる行為をするなら、党の規則で辞めてもらうよう導いていかないといけない。

 ――両院議員総会で代表辞任を求めるのか。

「そうだ。」

 ――不信任案に賛成すればよかったか。

「突然言葉をひっくり返すというなら、賛成しておくべきだったと思う。」・・・(略)

http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201106030114.html(朝日)

ここで菅総理は態度を一変させます。

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「僕辞めないもーん。辞めるなんて一言もいってないもーん。時期も行ってないもーん。鳩山君が勝手に思い込んだだけなんだ。書面にも書いてないし、サインもしてない。証拠があるなら見せてごらんよ。僕辞めないもーん。」のような態度です。

民主党代議士会での菅総理の発言です。

「野党から『お前が総理では物事が進まないから地位を外れろ』と強い指摘をいただいている。『ありとあらゆることを、地位にしがみつくために発言し、行動している』と厳しい批判をいただいているが、その(総理の)立場、その地位に立った者として責任をしっかり果たせるかを考えて行動してきたつもりだ。

 そうした中で、今回の震災を迎えた。私としては、大震災に取り組む一定のめどが付いた段階、私がやるべき一定の役割が果たせた段階で、若い世代の皆さんにいろんな責任を引き継いでいただきたいと考えている。

 私にはまだ、松山の五十三番札所から八十八番札所まで、お遍路を続ける約束も残っている。しかし、大震災、原発事故に一定のめどがつくまで、ぜひとも私にその責任を果たさせていただきたい。その責任を皆さんとともに果たさせていただきたい。」

衆議院浅野貴博氏の平成二十三年七月五日提出質問主意書から)

お遍路のことまで持ちだしています。勝利宣言に等しいです。

不信任案否決後の記者会見での菅総理の発言です。官邸のホームページからです。

鳩山前総理との話では、合意事項という文書に書かれた以外の何らかの約束とかは一切ありません。

http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201106/02kaiken.html(官邸)

岡田幹事長がこう述べて、菅総理民主党を擁護しています。

「復興のめどがついたらという首相の言葉通りだ。(鳩山由紀夫前首相が指摘した)復興基本法案の成立と第2次補正予算の早期編成のめどというのは(退陣の)条件とはなっていない。こういう事が大事だと文書には書いてある」

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0201K_S1A600C1000000/?nbm=DGXNNSE2INK06_S1A600C1000000(日経)

 鳩山氏に対し辞任を匂わせ、議員に解散をほのめかす、奸計とも言える不信任案回避策は、菅総理だけでなく岡田氏をはじめ民主党の幹部が絡んでいるようです。

 

さらに、ここにはもう一つ巧妙な罠が隠されていました。

 国会には、同じ会期に同じ法案を通すことができない一事不再議の原則があります。

菅総理は、この原則を利用し、当時行われていた国会の会期を延長することで菅総理の延命をするという姑息なことを考えていたのです。そして70日間の会期延長が決まります。これにより、会期は8月31日まで延長され、第177回国会の会期は戦後5番目に長い220日となります。そして、その間内閣不信任案は提出できないのです。菅の延命が実現してしまいました。日経新聞です。

 国会会期、70日延長議決へ 自公は反対  2011/6/22

衆院本会議は22日午後、同日までの今国会会期を8月31日まで70日間延長することを議決する。与野党は22日昼、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、民主党が70日延長への協力を要請した。自民、公明両党は延長に反対する。民主党は自公両党との3党で、菅直人首相の退陣時期と重要法案の処理に関する合意文書を取りまとめたい意向だったが、自公両党は首相退陣の時期が明確ではないとして応じない構えだ。

与野党幹事長会談で、民主党岡田克也幹事長は延長国会の課題として(1)今年度予算の執行に必要な赤字国債発行法案(2)東日本大震災の復旧策を盛る今年度2次補正予算案(3)再生可能エネルギー特別措置法案――を挙げ、協力を呼び掛けた。「会期延長と首相の進退は関係がない」とも強調した。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2200L_S1A620C1MM0000/(日経)

この一時不再議に対して、民主党の良識と呼ばれた西岡参議院議長は次のように述べています。
「提案者と不信任理由が異なれば2回目の採決は可能であり、(2回目の内閣不信任を)議院運営委員会で玄関払いしたり、衆議院議長が議題にしないということは不可能」
西岡氏は参議院議長の立場で菅総理の退陣勧告を5月から主張していました。しかし菅総理は意に介さず居座りを続けるのです。
◇参議院議長西岡武夫氏による退陣勧告

さて、この菅おろしの背景には、菅氏の浜岡原発停止をきっかけとした今後の原子力政策、自然エネルギーの積極導入に危機感を感じた原発推進派が進めたという陰謀論がネットで多く語られていますが、菅氏の総理として。ありあまる無能さを見ると、そんな高度な次元ではないと感じます。サヨクのたわごとです。総理としてふさわしくない人間を引きずり下ろす。ただ、それだけの簡単な理由です。

でも当時民主党の議員は、菅総理を選びました。「国民の生活と菅総理の延命」を天秤にかけた上で、菅総理を選んだということです。だから私は当時の民主党議員を誰一人と信用していません。反旗を掲げたのは二人だけでした。次の記事で紹介しています。

菅総理の狡猾な延命劇場は、国民の思いとは裏腹に実現してしまいました。震災の復興への道のりはまだまだ続いているのに、政権は菅おろしの大騒動に政治空白をつくることも眼中になく自分達の内輪もめに大忙しです。民主党に、国民ファーストという意識は、皆無だったことが、ここでも露呈します。

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