民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇「顔見たくないなら法案通せ」再生可能エネルギー法案にご執着

さて、この騒動の間東日本大震災はほったらかしです。そして菅総理が延命に執着する新たな利権が見えてきました。再生可能エネルギーの買い取りを電力会社に義務付ける再生可能エネルギー法案です。

鳩山総理との覚書や民主党代議士会では、復興基本法案と第2次補正予算案、2案の成立がメドとされていましたが、いつのまにか新たに「再生可能エネルギー法案」が付け加えられているのです。

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内閣不信任案を逃れた菅総理は、はしゃいで「顔見たくないなら法案通せ」と笑顔満面で語ります。ユーチューブに映像が残っていました。見ると腹立つこと間違いなしです。記事は日経からです。

 首相、エネルギー法案成立に意欲 「顔見たくないなら法案通せ」 2011/6/15

菅直人首相は15日、再生可能エネルギーの買い取りを電力会社に義務付ける法案について「『菅の顔を見たくない』という人も国会にはいる。それならこの法案を通した方がいい」と述べ、同法案成立に向けた強い意欲を示した。「何としても通したい。通さないと政治家としての責任を果たしたことにならない」とも語った。

https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS15033_V10C11A6PE8000/(日経)

 この法案について、週刊現代で当時みんなの党の党首の渡辺喜美氏(衆・栃木3区)がこう語ります。

孫正義社長におだてられ『延命学の大家』菅首相が飛びついた「電力買取り法」の問題 2011.6.22

 「延命学」の大家である菅総理が最近ご執心なのは、再生可能エネルギー電力を強制的に買取りさせる特別措置法(以下、電力買取り法)である。

 「(菅直人の顔を)本当に見たくないのか」というフレーズを3回繰り返し、法案を通す「作戦」を異常なテンションで語った場面は、何度もテレビで流され、もう「本当に見たくない」。

 電力買取り法はあの3・11当日閣議決定された。つまり、震災前の企画立案で、ドイツの固定価格買取り制度を模倣したもの。電力会社に一定量自然エネルギー導入を義務付ける従来のRPS法を廃止し、利用者に賦課金支払いを請求できるようにしたところが、目新しい。

 菅内閣では珍しいことだが、民主党の09年マニフェストに載っているものを実現しようという法案だ。3ヵ月以上も放置しておいて、突然、クローズアップしたのは、孫正義氏におだてられたせいだろう。

エネルギー政策3点セット

 みんなの党は、脱原発依存自然エネルギーの拡大を目指すが、この法案はいくつか検討を要する点がある。

 第一に、法案レベルでは出てこないが、経産省の検討では「全量買取り」を原則としつつ、「住宅用・10kw未満の設備については引き続き余剰電力買取り」とされている。この点はどう考えるのか?

 第二に、電力会社は、「電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれ」があるときは、設備を送電網に接続することを拒絶できることになっている(法案5条1項2号)。

 計画停電をやる時などは、自然エネルギー電力も止めてしまうということ(!!)。電力会社はこれまで「安定供給への支障のおそれ」と称して、「逆潮流の防止」なる保安院の通達を錦の御旗に、新規参入を阻み続けてきた。こうした運用を更に続けるのか?

 第三に、この買取制度による負担は、電力会社が負うわけではなく、電力料金を通じて利用者一般(事業者、家庭)が負担する。それでよいか。発送電分離による真の競争環境の導入・電力自由化、総括原価方式による過剰コスト体質の見直しをしないのか?

【以上、政策工房News Letter より】

大震災の前に経産省民主党に気を使って企画立案したものだが、9電力体制の地域独占や発送電一体を打破するような視点はない。いわば安全パイ。孫正義氏のような新規参入者にとっても固定価格買取制度はありがたい。

 というわけで、延命学の大家は飛びついたのだろう。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/9529週刊現代

孫正義氏のような新規参入者にとっても固定価格買取制度はありがたい。」

ここがポイントのようですね。買い取り価格が固定ということは、太陽光発電所をつくればつくるほど儲かるのです。電力会社はその一部を国民に転嫁します。電気料金の明細にある「再エネ賦課金」がそれです。2018年現在では、使用電力量1kWhあたり2.90円を各家庭が負担しているのです。

ソフトバンクの孫氏は、そこに大きなビジネスの匂いをかぎ取り、菅総理を焚きつけたのでしょう。やる気まんまんです。最終的には、この制度の成立と交換で退陣することになります。それほどに執着するには、それほどにおいしいことがあったのでしょう。

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