2019年5月30日に、衆議院で強行採決までした郵政改革法案でしたが、6月2日に鳩山総理が辞任を発表、菅内閣が発足します。菅総理は当初、今国会で郵政改革法案成立を約束していましたが、参議院選挙を目の前にして手のひらを反すのです。菅内閣発足で60%近くにアップした支持率が落ちないうちに参院選挙に飛び込みたい。郵政改革法案のための会期延長は許さない。という党内の声に負けたのです。
これに対し、連立していた日本新党代表の亀井静香金融・郵政改革担当大臣が「約束が違う」と大激怒、連立離脱しかねない勢いでした。
5月28日に普天間基地の辺野古移設を巡って社民党が連立離脱をしたばかりで、政権崩壊に繋がりかねない事態となりました。結局亀井静香氏が閣僚を辞任、後任に自見庄三郎氏を立てることで連立離脱は免れたカタチで決着しました。
政権交代後一年も経たないうちに、組織の襤褸が次々とほころびていくのを国民はまのあたりにすることとなりました。
亀井郵政改革担当相 深夜の辞任その裏 2010年6月11日
国民新党の亀井静香郵政改革担当相が11日深夜、閣僚辞任を表明した。「郵政改革関連法案の成立は、同じ内容で、次期臨時国会の最優先改題とする」という民主党と確認書を交わすことで落着するかに見えた矢先のことだ。
郵政改革関連法案を今国会で可決させるかどうかは、7月の参院選日程に影響する重要課題だった。菅内閣で再任された8日、金融庁で会見に臨んだ亀井氏は、辞任した小沢前幹事長をこう評した。「あの人は、地位には恋々としない人ですからね、昔から。そういう点は、私と似ている」
国民新党と民主党の連立は維持。松下忠洋経済産業副大臣と長谷川憲正総務政務官は、引き続き閣内に止まる。あえて辞任を迫られたわけでもない亀井氏だったが「代表である私は、今国会で成立させる約束を履行させられなかった責任をとる」と、降りてしまった。
鳩山・小沢辞任をきかっけに、民主党の支持率が急騰。弱気だった民主党はすっかり変わった。特に選挙を控えた参議院候補者を中心に、会期は延長せずに選挙に突入すべきという声が大勢を占めるようになった。
ある民主党関係者は「会期を延長すれば、野党は全力で攻勢をかけてくる。イラ菅と呼ばれた総理の悪い癖が出て言葉尻を取られるくらいなら、期待を受けてる間に一気に選挙をしないと」と、話した。
一方、亀井氏の郵政改革法成立にかける意欲は、並々ならぬものがある。
「審議時間が要る、要るというのなら、毎日やれば良いではないですか、徹夜だって良いよ、土・日だってやろうではないかと。そうでしょう。私みたいな怠け者が、ちゃんとやる、受けて立つと言っているのですからね」
8日の亀井氏のこの発言は、連立を組む民主党ではなく、野党に向けて投げかけられたものだった。まさか菅首相が代表就任会見で語った「今国会で成立を期す」という連立の約束が、こうも簡単に反故にされるとは思っていなかっただろう。
民主党内には、こんな考え方もあった。
「限られた日程で綱渡りして郵政改革法の成立を強行するより、次期国会に回したほうがいい。郵政の支持はますます固くなり、その状態で衆院選に突入できる」
しかし、郵政改革の旗を振る国民新党にとっては、それでは済まない。亀井氏は辞任劇を演じることで、小党の存在感を示した。
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