民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇自民党の再生

「私たち自身が反省して生まれ変わらなければならないという大きな決意をしたんです。」

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2019年2月12日の衆議院予算委員会での岡田克也氏に対する安倍総理の発言です。

安倍内閣総理大臣 こういう雰囲気で果たしていいのかどうかということも含めて申し上げたいというんですが、なぜ政権を失ったか、我々は深刻に反省したんですよ。その中において、全国でずっと車座集会を開きながら真摯に耳を傾け、我々は生まれ変わろう、そういう決意をしたわけでございます。

 皆さん、悪夢でなかった、それを否定しろとおっしゃるんですが、では、なぜ民主党という名前を変えたんですか。私はそれが非常に不思議だ。

 自民党は、自民党という名前を変えようとは思わなかった。私たち自身が反省して生まれ変わらなければならないという大きな決意をしたんです。別に名前のせいで負けたわけではないんですよ。皆さんはこの民主党というイメージが悪いから恐らく名前を変えられたんだろう、こう推測する人はたくさんいますよ。そういう意味では、皆さんもそう思っておられるんじゃないですか。

民主党政権は人災を越えた大災厄といっても過言ではありません。では、あの時麻生政権が続いていたらうまくいったかというと、それは違うと思います。一度下野したからこそ、自民党も安倍さんも勁くなりました。ぶれない、焦らない、手順を踏む、諦めない、キレない、その場でごまかさない、功を気にしない(後でついてくる)、マスコミは反安倍前提に適度にあしらう、逆にマスコミを利用する・・・。
第2次安倍政権の安定感は、政権交代中の苦労とじれったさ、反省があったからこそだと思います。それが自信につながり、冒頭の発言になっているのです。
第1次安倍政権において安倍総理は、戦後レジームの解消と焦って何もかも一度にやろうと張り切り過ぎて、官僚とマスコミを敵に回し、自身の体調を崩してしまったのです。その反省も生きています。また、麻生副総理、菅官房長官のサポートも素晴らしい。
マスコミは、安倍政権の批判ばかりしていますが、外交におけるプレゼンスの獲得、アベノミクスによる経済の立て直し、株価は2万円越えが日常となり、就職率も大幅に向上しています。文句をつけようがありません。何より大きな災害の対応がそつなく素早く遂行されているのです。あまりにもスムーズだから報道もあまりされないのです。
このように何事も問題なく日常が流れているのは、政権がしっかりしている証拠です。国会がモリカケで1年以上費やしていても、国政や外交、生活に大きな影響がでていないのもその表れです。政治は、本来裏で国民の生活を支えるものなのです。民主党政権は、「俺がこれをやった」「私の企画だ。」などなど、個人個人が功を上げようと必死になっているから本来やるべきことが見えないのです。東日本大震災の時にはそれが顕著に表れました。

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この時、自民党は、民主党の口だけ復旧を見限って小泉進次郎氏らが自ら積極的に行動していました。こういう経験が古い自民党からの脱却を促していったのだと思います。民主党を反面教師に自民党が甦ったのです。小泉氏だけでなく、総裁の谷垣氏、麻生氏、安倍氏、みなが率先して動きました。報道されるのが目的ではなく、裏方としてそれぞれが自分たちにできる事をしたのです。写真は東日本大震災で活動する当時野党の安倍晋三氏です。◇一枚の写真・安倍晋三氏 - 民主党政権3年3か月の研究

2012年9月、谷垣氏の後、安倍氏自民党総裁を引き継いだ時、早すぎるのではないかと個人的に思いました。前回のダメージを引きずるのではないか?マスコミの大々的な安倍おろしキャンペーンが行われるのは容易に推測できます。谷垣氏が総裁でクッションをして、安倍氏がエネルギーを蓄えて次を担えば良いのではないかと考えていました。しかし安倍総理は、見事にその思いを裏切ってくれました。災害が列島を襲うのは不可抗力ですが、日本が何事もなく日々すごせているのは、政権が安定しているからに他なりません。その要因の一つとして、民主党政権の悪夢の日々が、現政権にとって、自民党にとって。プラスに働いていることは明らかです。

追記)安倍晋三氏の母方の祖父・岸信介元総理大臣は、奇しくもこう述べています。

「本当は、総理をやってですよ、しばらく野に下って、今度は権力者としてではなく国民の側に立ってものを観察し、いろいろ思いを巡らしてこれを前の経験と結び合わせてもう一度総理をやった政治家は、前より大いに偉くなるんですよ。それを利用しないのは、国にとって非常に僕は非能率だと思うんだ」

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原彬久編「岸信介証言録」中公文庫

そのお祖父ちゃんの言葉通りに、安倍氏は強くなったのです。

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安倍さんばかりをほめていますが、谷垣氏の存在も見逃すわけには行けません。政権交代前の谷垣氏にはもう一つ物足りなさを感じていたのですが、民主党政権下で野党としての自民党総裁の谷垣氏は人が変わったように堂々と最低最悪の政権に対峙していたと感じます。最近は、大けがをされて政界から遠ざかっていましたが、先ごろ元気なお姿を見せてくれました。東京都知事選への出馬の噂も出てきました。政権交代で強くなった自民党議員の一人です。もっと頑張って頂きたいと思います。

政権交代からもう6年もたちました。安倍総理の安定感には素晴らしいものがありますが、安倍改造内閣を見ていると、この安定に慣れてしまい胡坐をかいて経年劣化している感があるようです。ポスト安倍氏を見据えて各議員がもっと切磋琢磨しなくてはいけません。安倍政権は、民主政権と比較されました。次の政権は、安倍政権と比べられるのです。安倍政権の上をいかなければ、間違いなくマスコミからのバッシングが雨あられと降ってくるでしょう。

その覚悟はありますか?準備はできていますか?

現在菅官房長官の名前がポスト安倍に登場してきています。大賛成ですが、つなぎです。その次を今から育てなければ・・・政権が安定している今だからこそ、次の次への備えが求められています。

今やらなきゃ・・・

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