民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇安倍総裁との一騎打ち

2012年11月14日、衆議院第1委員室において、野田総理自民党安倍総裁との党首討論・一騎打ちがはじまります。

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野田総理は16日解散と引き換えに、赤字国債発行の特例公債法の週内成立と一票の格差と定数削減を安倍総理に要請します。安倍総理がそれに応じることで、16日解散が決定しました。民主党政権劇場最後の一幕ですので、全文紹介します。

この様子はこちらから動画の視聴ができます。

nettv.gov-online.go.jp

その前に、下の写真をご覧ください。野田総理の後ろで鬼の形相で睨む岡田副総理の心境を察するとあまりあるものがあります。

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 2012年11月14日、両院・国家基本政策委員会合同審査会

安倍晋三 野田総理、お疲れさまでございます。

 ASEMへの出張、そしてそれに続く本会議、予算委員会、きょうの党首討論、また週末には東アジア・サミットへの出張が予定されているというふうに伺っております。

 総理の職はまさに激務であります。国益をかけた外交交渉、そして国民に対しての説明責任を果たすために国会での質疑応答、本当に過酷な仕事であります。私も経験をいたしましたから、できれば、総理にねぎらいの言葉をかけたいと思います。たまには総理のチャーミングな笑顔を見たいというふうに思います。

 しかし、私が総裁に就任してこの一カ月半、総理に厳しい言葉を投げかけてきました、約束を果たすべきだと。なぜ私たちがそう言い続けてきたか。それは、政治の本質、国民の政治への信頼にかかわるからであります。

 さきの国会において、当時の谷垣総裁と私たち自由民主党は、国民の信を問うべきだ、そう要請しました。なぜかといえば、さきの総選挙において、野田総理そして民主党の皆さんは、マニフェストに書いてあることを実行するために消費税を上げる必要はない、そう約束をされた。そして、政権をとったんです。その約束をたがえて、主要な政策を百八十度変えるんですから、国民に対して改めて信を問うのは当然のことであります。

 私たち自由民主党は、三年前の総選挙において、将来伸びていく社会保障費に対応するためには消費税を上げていかざるを得ない、正直にそう説明をしてまいりました。その私たちが、約束をたがえた民主党と三党合意を成立させ、法律を成立させる以上、改めて国民の信を問わなければならない、そしてそれが国民の信頼をつなぎとめる唯一の道である、そう考えたんです。党利党略ではないんです。だからこそ、野田総理に、国民に信を問うてください、そうお願いをした。

 そして、野田総理は確かに約束をされました。法律が成立をした暁には、近いうちに国民に信を問うと。

 私たちは約束を果たし、法律は成立をいたしました。

 あの約束の日は八月八日、夏の暑い日でした。夏は去り、そして秋が来て、秋も去りました。もういよいよクリスマスセールが始まろうとしています。いわば約束の期限は大幅に過ぎている。しかし、一度解散を口にした総理大臣は、内閣は、力を失います。経済を再建させていく力も、外交政策を進めていく力も失います。なぜかといえば、相手国から交渉相手としては認められないんです。

 野田さん、もうこの混乱状態に終止符を打つべきです。一日も早く国民に信を問うて、国民の信を得た強力な新しい政権が、経済を立て直し、そして外交を立て直していくべきであります。

 勇気を持って決断をしていただきたい。改めて、そのことについて総理の決意をお伺いしたいと思います。

内閣総理大臣野田佳彦君) ただいま安倍総裁から私の見解を求められました。

 昨年の秋に、内閣総理大臣に就任をしました。そのときに私が思ったことは、任期満了まで徹底して仕事をしなければいけないと思ったんです。なぜならば、皆さんのつくってきた負の遺産が余り大き過ぎて、三年間では解消し切れないと思っておりました。(発言する者あり)

○会長(古賀一成) 御静粛に。

内閣総理大臣野田佳彦君) デフレはずっと皆さんの政権の時代から続いています。私どもの政権になってからGDPのギャップも縮んできている、これもやり遂げていきたい。借金の山という負の遺産もいっぱいありました。財政規律を守る国としての立て直しをしなければいけない。原子力の推進をしてきた長い間の政権がありました。でも、大きくエネルギー政策を変えなければいけない。そういうことを最後までやり遂げるためには、一定の時間が必要だと思っておりました。

 しかし、今、安倍総裁からも御指摘があったとおり、八月の八日、当時の谷垣総裁と党首会談を行いました。その党首会談は、私が政治生命をかけると言った社会保障と税の一体改革がデッドロックに陥ったからであります。

 政治生命をかけるという意味は、先般の予算委員会で石破幹事長の御質問にお答えさせていただきましたが、もし果たせなかったならば、解散をするのでもない、総辞職をするのでもない、私は、議員バッジを外すという覚悟で、党首会談で谷垣総裁とお会いをさせていただきました。

 したがって、そうした政治生命をかけた会談で……(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 静粛にお願いします。

内閣総理大臣野田佳彦) 谷垣総裁をだまそうなどという気持ちは全くありません。近いうちに国民の皆様の信を問うと言ったことにはうそはありませんでした。

 先輩方から、内閣総理大臣公定歩合と解散はうそをついてもいいということを自民党政権時代には言っていた人もいるというお話もありましたが、うそをつくつもりは私はありませんでした。

 私は、小学校のときに、家に通知表を持って帰ったときに、とても成績が下がっていたので、おやじに怒られると思いました。でも、おやじは、なぜか頭をなでてくれたんです。五や四や三、そんなの気にしなくて、生活態度と書いた講評のところに、野田君は正直の上にばかがつくと書いてありました。それを見て、おやじは喜んでくれました。

 安倍総裁の教育論は傾聴に値するものがたくさんあります、歴史観、国家観から。私の教育論は、そこから始まるんです。偏差値や百点や五段階じゃなくて、数字にあらわせない大切なものがあるんだということをおやじは教えてくれました。だから、もともとうそをつくつもりはありません。

 近いうちに解散をするということに、先般の十月十九日、党首会談をやったときにもお話をしました、ぜひ信じてくださいと。残念ながら、トラスト・ミーという言葉が軽くなってしまったのか、信じていただいておりません。

 定性的にぎりぎりの表現をいたしました。でも、この近いうちにという言葉の解釈をめぐって、太陽作戦やら、北風作戦やら、今のこの党首討論の冒頭もここからのお尋ねです。この問題を解決しないと、私は、政治は前進しないと思っております。近いうちに、この討論の中で明らかにしたいと思います。

 そのためには、どうしても、とりわけ越えなければいけない環境整備として申し上げた特例公債法案、そして一票の格差と定数是正、このことについて早期に成立をさせる安倍総裁の確約をいただきたいんです。

 特例公債については三党合意ができました。党首会談で私が御提案申し上げたことを踏まえて、三党の御協力をいただいて、特例公債は予算とセットで対応できるようになりました。これは前進だと思います。

 ぜひ、これは、きょうこの後も衆議院の御審議ございますけれども、参議院においても責任を持って、早期に、今週中に成立できるように御尽力をいただければと思います。

 もう一つは、一票の格差と定数是正の問題です。

 一票の格差の問題は、これは違憲状態です。最優先で解決しなければなりません。一方で、定数削減は、二〇一四年に消費税を引き上げる前に、まず、我々が身を切る覚悟で、具体的に定数削減を実現しなければいけないと思っております。

 我々は、四十五削減をする、〇増五減を含めて四十五減の法案をきょう提出いたしました。

 ぜひ、御党におかれても、もともとマニフェストで国会議員の一割削減と訴えていたはずじゃありませんか。衆議院議員は四百八十です。一割削減だったら四十八。細田私案だって三十削減を言ってきた。

 何としても、一票の格差と定数削減、これも今国会中に実現をする、それをぜひお約束していただければ、きょう、近い将来を具体的に提示させていただきたいと思います。

安倍晋三 今、総理は随分長々とお答えになりましたが、私の質問には全く答えていません。大変残念ですね。

 私の聞いていないことについて言及されましたから、一言申し上げます。

 自民党政権時代の負の遺産、そうおっしゃった。しかし、例えば、鳩山政権のときの予算規模は九十五兆円でした。自民党政権時代は八十兆円台ですよ。私のときには八十一兆円です。リーマン・ショックの後の特別な対応、いわばそういう状況の予算と比べているのではありません。東日本大震災の後の特別な予算と比べたのではない。いわば平時の予算。

 例えば、私のときと鳩山さんのときを比べましょう。私のときは八十一兆円でした。そして、名目GDPは幾らだったか。五百十三兆円ですよ。そして鳩山政権は、四十兆円しか税収がないのに九十五兆円組んで、名目GDPは四百八十兆円じゃありませんか。三十兆円も圧縮をしているんですよ。

 私が聞いていないことに野田さんがそう答えたから、私がさらに答えているわけであります。

 そして、今、トラスト・ミーという言葉が軽くなったとおっしゃった。確かにそうですね。トラスト・ミー、軽くなったのはトラスト・ミーだけではありません。マニフェストという言葉も軽くなった。近いうちにという言葉も軽くなった。

 私たちは、特例公債について賛成をする、そういう決断をして、既に御党も承知のはずであります。審議を当然今進めております。

 私たちは、そもそも、予算委員会を開いていないのに本会議に応じたではありませんか。そうでしょう。そして、今、財金で審議を進めていきますよ。

 そして、国民会議については、そもそも私たちの提案でありますが、メンバーは直ちに決めても構いませんよ。

 そして、定数是正の問題。そもそもこの党首討論において、野田総理、総理は、憲法違反と言われている定数是正を先行させる、そう約束したじゃないですか。それをまたたがえるんですか。

 確かに、私たちも定数削減を必要としていますよ、必要だと思いますよ。定数の削減と選挙制度の改正というのは、民主主義の土俵ですよ。なるべく多くの政党の皆さんが議論に参加をして、賛成できる環境を例えば議長があっせんをしてつくってくる、ずっとこうやってきたではないですか。

 これが直ちに前に進まないから、まずは〇増五減、定数是正、そして憲法違反の状況を解消する。直ちに皆さんがこれに賛成すれば、もうあしたにもこれは成立をしますよ。決断してください。(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 静粛に。

内閣総理大臣野田佳彦君) 私は、安倍総裁にお尋ねしたのは、特例公債、これは今週中に決着をつけましょうという話をしました。それが一つ。これは前向きにお答えをいただいたものと受けとめさせていただきます。

 それから、一票の格差と定数是正の問題は、もともと民主党一票の格差先行で話をしていました。

 確認をしたいと思います。与野党協議を通じて定数削減や選挙制度とセットとしようとしたのは、御党を含めて、ほかの野党の皆さんです。事実関係から申し上げたいと思います。それを踏まえていて、二月の党首討論において谷垣総裁から一票の格差が最優先というお話がありましたので、それは憲法の問題にかかわりますから最優先という認識は一致をいたしました。これは順序を追っての御説明でございます。

 その上で、もう過去の話ではありません。定数削減はやらなければいけないんです。消費税を引き上げる前に、お互いに国民の皆様に約束したことを、この国会で結論を出そうじゃありませんか。ぜひ、これは法案を提出いたしましたから、御党におかれても御決断をいただきますように強く期待をいたします。

 その一方で、どうしても……(発言する者あり)聞いてください。どうしても定数削減で賛同していただけない、あってはならないことだと思いますが、そういうことがあった場合に、最悪のケースですよ、ここで国民の皆さんの前に約束をしてほしいんです。定数削減は来年の通常国会で必ずやり遂げる。それまでの間は議員歳費を削減する。

 国民の皆様に消費税を引き上げるという御負担をお願いしている以上、定数削減をする道筋をつくらなければなりません。我々は、自分たちが出している法案に御賛同をいただきたい。諦めずにそれは粘り強く主張してまいります。

 でも、ここで何も結果が出ないというわけにはいかないと思っているんです。そのためにも、ぜひ協議をしていただき、これについても、これはお尻を決めなかったら決まりません。この御決断をいただくならば、私は今週末の十六日に解散をしてもいいと思っております。ぜひ国民の前に約束してください。

安倍晋三 民主党というのは、改めて、思いつきのポピュリスト政党だな、本当にそのように思いました。

 そもそも、定数の削減、選挙制度、そしてその前に、憲法違反の状況を変えるための定数の是正、これをしっかりと行っていくべきだ、この協議を進めていくべきだ、我が党の方からちゃんと話をしているんですよ。それなのに、それを全然進めてこなかったのは、解散をひたすら恐れ、それを行ってこなかったのは皆さんの方じゃありませんか。そのことはまずはっきりと申し上げておきたいと思いますよ。

 そして、いよいよ、民主党の党内が大混乱して、解散に追い詰められる中において、今そうおっしゃってきた。

 私たちは、まずは〇増五減、これは当然やるべきだと思いますよ。そして、来年の通常国会において、私たちは既に、私たちの選挙公約において、定数の削減と選挙制度の改正を行っていく、こう約束をしています。今この場で、そのことをしっかりとやっていく、約束しますよ。

内閣総理大臣野田佳彦君) 定数削減をするという約束、私はこの国会がベストだと思っています。だから、これからも主張をし、協議をさせていただきます。

 でも、最悪の場合のように今おっしゃったんですけれども、最悪の場合でも、必ず次の国会で定数削減をする。それは〇増五減のレベルじゃありませんよ。五減じゃありません。お互いに数十単位と言ってきているわけですから、そこで成案を得るということを必ずやる、うそはつかない、ともに責任を持つ。そして、それまでの間は、例えば議員歳費の二割削減等々、国民の皆様の前に身を切る覚悟をちゃんと示しながら御負担をお願いする、制度ができるまでそれを担保する、そこをぜひお約束してほしいと申し上げているんです。

安倍晋三 野田総理、年末に解散・総選挙を行って、そして国民の信を得た新しい政権がしっかりと予算を編成して、そして思い切った補正予算を組んで、経済を立て直していく必要があるんですよ。そして、その上に立って、総理がその前提条件をつくるべきだと言ったから、私たちは特例公債について賛成をするという大きな判断をしましたよ。最初から私たちは人質にはしていない。

 そして、国民会議についても、本来であれば、国民の信を得た新しい政権がつくっていくべきだと私は思います。ただ、野田総理からそういう提案があったから、それは行ってもいい、そうお約束をしました。(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 御静粛にお願いします。

安倍晋三 そして、定数の是正については、我々が〇増五減という案を出していた。野田総理、定数の削減あるいは選挙制度の改正、今、私と野田さんだけで決めていいんですか。そんなはずはないんですよ。

 私たちは自民党時代にも、たくさんの政党がいる、野田総理、たくさんの政党がいるんですよ。小選挙区だけであれば、今の状況でいけば、我が党の現職の議員は、多くが恐らく勝ち上がるんですよ。しかし、少数政党にとって……(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 御静粛に。

安倍晋三 少数政党にとっては極めて不利になる。比例区の議員、これを一方的に減らしていく、これは少数政党にとって問題であるから、もっとちゃんと議論しようと言っているんです。

 この議論をすりかえているのは、私は、残念ながら、まさに野田総理としか言えないと思いますよ。私はこんなことを言いたくありませんが、逃げてはいけない、あるいはうそをつくな、これは野田総理、今、野田総理はそんなことを言う資格は残念ながらないんですよ。

 今、野田総理がやるべきことは、もうこの混乱をやめ、終止符を打って、そして新しい政治を始めていきましょうよ。その決断を私は野田総理に求めているんです。(発言する者あり)

○会長(古賀一成君) 御静粛にお願いします。

内閣総理大臣野田佳彦君) 明快なお答えをいただいておりません。

 この政治改革の議論は、もう与野党協議では相当やってまいりました。あとは、我々与党と野党第一党が決断をして、特に、我々の提案は中小政党に配慮した比例の削減であります。民主党にとってプラスの提案ではありません。そのことを踏まえて、各党の御理解を得るべく努力をしながら、早く結論を出す、ぜひこれは協力してやりましょうよ。

 そして、そのことをもって、私は、いずれにしてもその結論を得るため、後ろにもう区切りをつけて結論を出そう。十六日に解散をします。やりましょう、だから。

安倍晋三 今、総理、十六日に選挙をする、それは約束ですね。約束ですね。よろしいんですね。よろしいんですね。

 そして、一言言わせていただければ、先ほど、皆さんが出されている選挙制度、連用制ですね。連用制というのは極めてわかりにくい制度なんですよ、皆さん。では、国民の多くの皆さんは、この場面を見ている多くの皆さんは、理解できますか。憲法との関係においても、実は疑義があるんですよ。それをここで言っている。

 もうまさに、私は、総理、あなたの今の答弁は不誠実だと思いますよ。今まで私たちが求めていた答弁には全く答えずに、そして、急に、まるで民主党自民党がこの民主主義の土俵を全て決めていい、傲慢な態度ですよ。共産党だって社民党だって、この党首討論には出られない政党がたくさんいるじゃありませんか。

○会長(古賀一成君) 所定の時間が過ぎております。安倍総裁、よろしく。

安倍晋三 そのことを全く無視して総理は述べている。

 しかし、十六日に解散をしていただければ、そこで、皆さん、国民の皆さんに委ねようではありませんか。どちらが政権を担うにふさわしいか、どちらがデフレを脱却し、そして経済を力強く成長させていくにふさわしいか、そのことを判断してもらおうではありませんか。そして、この外交敗北に終止符を打って……

会長(古賀一成) 所定の時間が過ぎております。安倍総裁、よろしくお願いします。

安倍晋三君 どちらの政党が、美しい海と日本の国土、領海、国民を守ることができるかどうか、それを決めていただこうではありませんか。

 選挙戦で相まみえることを楽しみにしております。どうもありがとうございました。(拍手)

内閣総理大臣野田佳彦君) 技術論ばかりで覚悟のない自民党に政権は戻さない。それを掲げて、我々も頑張ります。(拍手)

いやぁ安倍さん、どじょうを煽る煽る。解散と言わざるを得ない状況に追い込んでいきます。いいですね。元気になった安倍さんにホッとしたのと同時に、視界が急激に明るくなってきました。安倍さん、ありがとう。そして野田総理、ありがとう。

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