民主党政権の鳩山内閣で、愛媛県と今治市が加計学園を設置予定母体とした獣医学部の新設の構造特区への申請は「対応不可」から「実現に向けて検討」に格上げされました。ここに小沢一郎氏の影もあったことを前回のブログで触れました。
→◇加計学園問題・理事長とお友達の江田五月氏 - 民主党政権3年3か月の研究
これで慌てたのは獣医師会です。今まで既得権益を守るために文部省と結託して新規参入を頑なに拒んできたのです。それが愛媛県と加計学園によって破られようとしている。何とかしなければとアクションを起こすのです。2018年に愛媛県に加計学園の経営する岡山理科大学獣医学部が開校したのは、実に52年ぶりのことでした。いかに獣医師会と文部省の壁が厚かったかを物語ります。岩盤規制と言われるゆえんです。産経新聞です。
新設認めぬ「石破4条件」は獣医師会の政界工作の「成果」だった! 民主党政権でも献金攻勢…2017.7.17
慌てた獣医師会は、民主党衆院議員、城島光力と接触し、城島を会長とする「民主党獣医師問題議員連盟」を発足させた。22年7月の参院選では、民主党の比例代表の候補1人を推薦した。民主党議員に対する政治献金もこの時期に急激に増えている。
https://www.sankei.com/premium/news/170717/prm1707170008-n2.html(産経)
ここで獣医学部新設阻止を目的に、獣医師会が民主党に働きかけ「民主党獣医師問題議員連盟」を発足させ、献金攻勢をかけたことが伺えます。これに対し、獣医学部新設を中心になって進めて来た元愛媛県知事の加戸守行氏は、こう語っているのです。産経新聞からです。加計学園問題で安倍総理攻撃以外の視点での報道は産経以外ではほとんど見られません。
加戸守行前愛媛県知事「妨害の主役は獣医師会顧問の北村直人氏」「鳩山政権が実現に向けて検討、と表明したら、民主党内に獣医師議員連盟が…2017.7.30
櫻井よしこ氏が毎週金曜日に配信しているインターネットニュース番組「言論テレビ 櫻LIVE」に加戸守行前愛媛県知事(82)が出演した。加戸氏は「岩盤規制の主役は日本獣医師会顧問の北村直人・元衆院議員」と断じ、「民主党政権で前に進むと、すぐに議員連盟が民主党内にできてブレーキがかかった」と、北村氏の影響力の大きさを表現した。・・・(略)
平成22年2月、民主党の鳩山由紀夫内閣下で民主党議員の働きかけで「実現に向けて検討」と獣医学部構想がランクアップした。
「(政治が)前向きになり、良かったなと思ったら、民主党内に2週間後に『民主党獣医師議員連盟』が結成され、68名が加入した」と加戸氏は述べ、執拗な獣医師会のロビー活動を明かした。
https://www.sankei.com/politics/news/170730/plt1707300005-n1.html(産経)
認可に向けて一歩進んだかと思ったら「民主党獣医師問題議員連盟」が発足して「ブレーキがかかった」というのです。国会で加計学園問題に対して「当初からずっと加計学園と一緒にやってきた。加計学園しか協力してくれるところがなかった。民主党政権で一歩進んだ。安倍政権の関与は考えられない」と証言した加戸氏のこの発言に対し、獣医師会から100万円の献金を受けた立憲民主党の幹事長・福山哲郎氏は「法的措置を検討」と述べています。夕刊フジからです。
野党“法的措置”に男気見せた加戸前知事 「いつでも受けて立つ!」
加戸守行(かと・もりゆき)前愛媛県知事が、左派野党を一蹴した。加計学園問題をめぐり、立憲民主党や国民民主党の幹部を名指しで批判した加戸氏に対し、両党はこぞって「法的措置」をチラつかせたが、「いつでも受けて立つ!」と男気を見せたのだ。
「野党第1党と第2党の幹部が『法的措置』を持ち出して、一個人の言論を封鎖するというのは、マンガですね。こちらはむしろ、法廷で討論させてほしい」
加戸氏は25日朝、夕刊フジの取材に、こう断言した。
左派野党が問題視したのは、23日の自民党インターネット番組だ。加戸氏は、立憲民主党の福山哲郎幹事長と、国民民主党の玉木雄一郎共同代表が旧民主党政権時代、獣医学部新設に反対する獣医師会から献金を受けた後から、学部新設構想に「ブレーキがかかった」と訴えた。
これに対し、福山氏は24日の記者会見で、「日本獣医師連盟から陳情を受けたことも、農水省、文科省、内閣府に問い合わせたこともない。何をもってブレーキがかかったと言うのか、根拠を示してほしい」と述べ、法的措置の可能性に言及した。
国民民主党の泉健太国対委員長も同日、「看過できない。法的措置も検討したい」と表明した。
加戸氏は「鳩山由紀夫政権で(獣医学部新設)構想が実現するかと思ったが、民主党獣医師議員連盟が発足し、前に進まなくなった。献金を受けた国会議員は、新設反対の立場から追及している。客観的事実をとらえ、『ブレーキがかかった』と表現した」と語った。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180527/soc1805270002-n1.html(zakzak)
この記事には一つ誤りがあります。2010年8月に日本獣医師連盟から献金を受けたのは福山哲郎氏だけで、玉木雄一郎氏が献金を受けたのは2012年12月でした。加戸氏の勘違いと思われます。
時系列で整理すると
①鳩山政権で獣医学部新設に向け一歩前進した。
②危機を抱いた獣医師会が民主党議員に献金などでプレッシャーをかけた。
③民主党内に「民主党獣医師問題議員連盟」ができて、新設認可の話が前に進まなくなった。
・・・・
④この話を加戸氏がすると、献金を受けた福山哲郎氏が「法的措置」をチラつかせた。
その福山氏は、立憲民主党の幹事長として加計学園問題で安倍総理を攻撃する先鋒となり鋭い追及をしていますが、何一つ決定的な証拠を示すことができていません。その常に一方的に決めつけた結論ありきの上から目線の激しい質問の姿勢は、テレビ受けするかもしれませんが、私はかなり不快感を抱いています。国会を長期間空転させている戦犯とも言えるでしょう。このツイッターを見れば、その攻撃的な性格がわかると思います。
○獣医学部新設が「加計ありき」「官邸ありき」で始まったことが明らかになった。「首相案件」「官邸の最高レベル」「総理のご意向」という文言の信憑性はより深まった。安倍総理ならびに政府の説明とは全く異なっており、柳瀬氏の参考人質疑も事実を語っていない。言語道断である。
— 福山哲郎 (@fuku_tetsu) May 22, 2018
(続く)
この福山氏の献金の場合、現在の国会での追及に関連するものではなく、民主党政権時代に「ブレーキがかかった」ことに関連する疑惑の献金とみるのが正しいようです。
さて福山さん、法的措置はどうなったのでしょうかね?上から目線で元知事の一般人に対し「法的措置も検討」というのは脅迫にも近い行為と思われますが、国会議員なのですから、議論で納得のいく説明をして欲しいものです。さもなくば、実際に訴訟を起こして司法の場で潔白を示すべきでしょう。その両方をせず、法的措置を匂わせるだけなのは卑怯としか言いようがありません。