民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇原子力規制委員会人事の漏えい

原子力規制委員会設立に当たって、その人事案を事前に一部のメディアが報じました。

政権交代前、民主党が強く主張して、事前報道された人事案は国会への提示を認めないというルールが形成されていましたが、民主党政権は自らそのルールを無視する形となりました。リークした日経新聞の記事と藤村官房長官の記者会見です。

同意人事の報道規制は不要だ 2012/7/25

 9月に発足する予定の原子力規制委員会の人事の国会への提示が遅れている。政府が先週固めた人事案が日経新聞や読売新聞に掲載されたことを不満として、一部の野党議員が審査を拒否する構えをみせたためだ。

 委員長候補が適任かどうか。人物本位で審査して反対の論陣を張るのならば理解できる。規制委メンバーを任命する際に国会の同意を必要とする仕組みにしたのは、広く与野党の意見を聞いた方がよいという理由からだ。

 事前報道された案をなぜ認めないのか。「国会審議の形骸化につながる」との弁を聞いても意味がよく分からない。

 こんな混乱が起きるのは与野党が2007年に「国会同意人事では事前報道された案は受け付けない」と決めたためだ。野党だった民主党西岡武夫参院議院運営委員長(のち議長)が強く主張した経緯から西岡ルールと呼ばれる。

 政府は国会同意を迅速に得るため、人事案を故意に報道機関に漏らして既成事実化させ、野党を押し切ろうとするものだ――。西岡氏はそう疑ったようだが、今回の騒動をみても事前報道が政府に有利に働くとは限らない。

 報道規制を招くおそれのある西岡ルールは直ちに撤廃すべきだ。」

 報道機関は国民の関心が高い事柄を一刻も早く伝えるべく努力している。故意の情報漏洩がなければ人事案を入手できないと思われては心外だ。事前報道への物言いは筋違いと反論しておく。

 規制委人事を巡り与野党は同ルールを適用しないことでいったん合意していた。原子力に詳しい専門家はそう多くなく、下馬評に上がった人をすべて門前払いしたら人材が払底するからだ。一転してルール違反を言い立てる議員が出てきたのはどうしたことか。

規制委人事がなかなか確定せず、原子力発電の安全管理への取り組みが遅れて迷惑するのは国民だ。つまらない体面にこだわって国会議員の職務の本質を見失うようでは困る。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44124430V20C12A7EA1000/(日経)

まぁなんというか、マスコミ様がリークした人事は受け付けないというルールが2007年にできていたそうです。マスコミ様はそのルールを撤回しろと迫り、人材がいないから今回はルール適用をやめようと与野党が一致したのに、また火をつける議員がいたようです。
しかしマスコミのスクープ狙いのリークは、いったい誰がのぞんでいるのでしょうか?どっちもどっちでしょう。無駄な騒動のような気がしています。

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2012年7月26日 藤村官房長官の記者会見

 原子力規制委員会国会同意人事案件につきまして、先般、議院運営委員会理事会に提示する前に関連する報道がされた、この件に関して、政府の情報管理の状況について確認を行いましたが、政府関係者から報道機関に対し情報を漏らしたという事実は確認できませんでした。しかしながら結果的に国会提示前に報道されたことについて、内閣の情報管理に反省すべき点があり、また事前の報道により、同意人事の提示に関し混乱を招き、議運や国会を始めとして関係者にご迷惑をおかけしたことから、本日、野田総理大臣から国会同意人事の内閣全体の取りまとめ役である、私(官房長官)、及び原子力規制委員会設置の担当大臣である細野大臣に対し厳重注意が行われました。今後は政府部内における情報管理の一層の厳格化に努めてまいりたいと考えております。

 https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201207/26_a.html(官邸)

結局この人事案は国会承認を得ることができないまま、9月に見切り発車で原子力規制員会は発足、活動を開始します。情報漏えいというケチがついた上に国会未承認人事というスタートになりました。

この漏えいについては、細野大臣への厳重注意と情報管理の一層の厳格化で終わりです。民主党政権の情報管理のずさんさはこれだけではありません。意識がないのですから、防ぎようがありません。次項で紹介したいと思います。

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