民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇立憲新党考察

2020年9月立憲民主党と国民民主党が解党・一部合流して、新しい立憲民主党と新しい国民民主党になって再スタートしました。

合流新党、代表に枝野氏を選出 党名は「立憲民主党」 2020年9月10日
 立憲民主党と国民民主党などでつくる合流新党の代表選が10日に行われ、立憲の枝野幸男代表(56)が国民の泉健太政調会長(46)を破り、代表に選出された。任期は2022年9月まで。党名は「立憲民主党」に決まった。旧民進党が分裂して以来、3年ぶりに衆参149人が結集し、政権交代も視野に入れる野党第1党が誕生した。15日に結党大会を開き、次の衆院解散・総選挙への準備を加速させる。
 枝野氏は代表に選ばれた後、「次の総選挙で政権の選択肢となり、国民に選んでもらうよう最大限努力する」と政権奪取への意欲を見せた。
 新党の参加議員は衆参149人で、内訳は立憲88人、国民40人、無所属21人。衆院は106人で、民主党政権交代を果たした09年衆院選の公示前勢力115議席に迫る規模となる。
 合流新党の代表選では、149議員が投票し、枝野氏は107票、泉氏は42票だった。枝野氏は立憲の議員のほか、国民の小沢一郎衆院議員や無所属の野田佳彦元首相ら旧民主党のベテラン議員からの支持を得て、陣営が目標とする100票以上を獲得した。
 今回は党名も投票で決定。枝野氏が提案した「立憲民主党」が94票、泉氏が提案した「民主党」は54票だった。
 代表選では、枝野氏が「政権の選択肢」を、泉氏は「提案型の野党第1党」を掲げた。自民党総裁選に立候補している菅義偉官房長官の「自助・共助・公助」との訴えに対抗し、枝野氏は「『自助』や過度な自己責任ではなく、支え合う社会をつくる」と訴えた。再分配を重視する支え合いの社会という対立軸を打ち出そうとした。
 今後は、次の総選挙に向けて、野党共闘を築けるかが課題となる。今回の合流では、国民の22人が参加せず、一部は玉木雄一郎代表らと新党を結成する見通しだ。枝野氏は「今まで通りの連携を呼びかけたい」と強調。国会や選挙などで、他の野党に協力を求める考えを示した。(山下龍一)

※この後、松原仁氏が合流し150名となり、羽田雄一郎氏がコロナで死去、12月に社民党から吉田忠智氏、吉川元氏が合流した。、

https://www.asahi.com/articles/ASN9B3J54N9BUTFK00B.html(朝日)

しかし蓋をあけてみれば、ほぼ悪夢の民主党政権です。党首は枝野氏ですし、役員の面々を見れば代わり映えのしない人たちです。玉木雄一郎氏が党首を務める新しい国民民主党で元民主党政権の重鎮と言えば前原誠司氏、赤松口蹄疫の際の農水大臣政務官舟山やすえ氏くらいです。国民民主党と完全合流ができなくなったために、新立憲はさらにサヨク色が濃くなると同時に、希望の党の比例復活組なども合流し無能感が増しました。一層のバラバラ感、どうしようもない感が漂います。
その新しい立憲民主党が、どれくらい悪夢の民主党政権を引き継いでいるのかを検証してみました。

■新党の役員(新党設立当時です。羽田氏が死去されましたが修正は未です。)
・役員の中で民主党政権時に民主党に属していなかったのはたった2人だけです。
民主党の偉かった人が最高顧問などで奉られています。
・代表、幹事長の他に代表代行3人、副代表5人とベテランにそれなりのポストを用意しているようです。
・若手のホープ小川氏や津村氏が役員になれないのは、希望の党比例復活当選だからと推測されます。

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■若手とベテラン
組織の構成を見てみると、民主党政権の経験者が60%近くを占め全体の半数近くが政権か与党で役職についていたベテランです。悪夢の政権の張本人であり、どこかで顔を見たことのある変わり映えのしないメンバーです。
一方当選一回の新人が15%以上を占めています。
これは、民主党政権最後の2012年の衆院選でボロ負けした際に、ベテランだけが比例復活で残ったことに端を発します。当時の新人、中堅議員が落選して涙をのみました。ゾンビのように生き残ったベテランは2014年の衆院選でも生き残ってきましたが、新人は入ってきませんでした。2017年の衆院選では、立憲民主党が設立された勢い、希望の党から排除された判官びいきの風が吹いて、ベテランが小選挙区で当選する一方、新人が比例復活で多く誕生しました。当時の立憲の政党支持率は、15%以上あった調査もありました。
2019年の参院選でもその勢いが少し残っていて、新人が多く当選しています。
立憲民主党は、超ベテランか新人しかいない政党といってもよいと思います。

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上の衆議院の議員構成を見ると新人の比例当選が高いことがわかります。全体での比例復活の状況を見てみましょう。

■比例復活議員

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小選挙区当選より、比例復活当選の議員が多いことがわかります。
そして、そのまた半分は希望の党の比例復活なのです。ここには、小川氏、柚木氏、山井氏、今井氏、津村氏などおなじみの議員さんが含まれています。
当時の支持率を見てみましょう。朝日新聞です、

比例投票先、立憲伸び13% 希望11% 朝日世論調査 2017年10月18日 
朝日新聞社は17、18日、衆院選に向けた世論調査(電話)を実施した。比例区投票先を政党名を挙げて聞くと、自民党が34%(3、4日実施の前回調査は35%)と堅調。立憲民主党が13%(同7%)に伸び、希望の党11%(同12%)を上回った。公明党7%、共産党5%、日本維新の会4%などが続いた。

https://www.asahi.com/articles/photo/AS20171018004885.html
当時、立憲と希望を足すと24%もの有権者が比例投票先に上げています。今や希望の党は消滅し、立憲の支持率は3~5%、いったいどれだけの有権者が立憲に入れてくれるのかわかりません。だから立憲民主党は与党攻撃に必死なのだと思います。
解散総選挙になれば、支持率を見れば前回の選挙よりは比例票が激減、ベテラン勢の小選挙区票も多くなることは望めないでしょう。すると前回比例で当選している議員の中から落選する議員が続出する。そんなことになりそうです。

内閣不信任案出したくても出せない。立憲民主党のつらいところなのです。

 

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