民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇重い重い重い首脳会談三連発

2010年11月13~14日パシフィコ横浜において、APEC JAPAN首脳会議が行われました。ホスト国の総理として大張り切りだったに違いありませんが、心中穏やかでなかったと思われます。その辺りをニューズウィークがうまく捉えているので紹介させてください。

From the Newsroom「主役は中国」―APEC取材の舞台裏 2010年11月15日(月)

 言うまでもないが、14日に閉幕したAPECの主役は中国。準主役がロシア、そして友情出演はアメリカ――終わってみての印象だけで判断するなら、これが妥当な配役だろう。

 もちろんこれは、あくまで日本から見た話。だが主にアジア太平洋の経済協力を話し合うAPECアジア太平洋経済協力会議)で、日本メディアが何より注視していたのは日中首脳会談が実現するのかどうか。そして国後島を訪問したメドベージェフ露大統領との日露首脳会談に、菅首相がどこまで「強腰」で挑めるのかどうかだった。

・・・(略)

https://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2010/11/post-173.phpNewsWeek

 アメリカのオバマ大統領とは「普天間基地移転問題」、中国の胡錦濤国家主席とは「尖閣諸島中国漁船衝突事件問題」、ロシアのメドベージェフ大統領とは「北方領土訪問問題」とこの3国の首脳と重い重い課題を抱えて、菅総理は首脳会談を行わなければならないのです。

外務省の発表している菅総理の首脳会談の概要を元に紹介していきます。

最初は、オバマ大統領と約60分間の会談でした。普天間基地移転問題で菅総理は、鳩山政権で副総理時代に「基地問題はもうどうにもならない。タッチしたくない。もう沖縄は独立したほうがいい。」と言っていたくらいなので相当気が重かったでしょう。

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そこで出てきたのが「平成の開国」と呼ぶTPPへの実質的な参加表明でしょう。オバマ氏もそこのところは歓迎していたようです。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/visit/president_1011/gai.html(外務省)

中国の胡錦濤国家主席との会談は土壇場まで決まらず、たった23分間の会談に終わっています。あいかわらず中国は揺さぶりをかけてきます。

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 「菅総理から,尖閣諸島について我が国の確固たる立場を述べた。胡主席からは,中国側の立場についての説明があった。」

この23分間の間菅総理は、手元のA4のメモを見つめていました。蛇に睨まれたカエル状態です。属国関係が世界にさらされてしまいました。中国の完全勝利です。胡錦濤氏は菅氏のことを舐めきったと思います。「こいつは、中国の役に立つ」と心の中で笑っていたことでしょう。

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日本人としてはなんと情けない国辱会見でした。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_kan/apec_10/china_sk.html(外務省)

ロシアのメドベージェフ大統領との会談は、急きょ胡錦濤国家主席との会談が割り込んで時間が予定より遅くはじまりました。

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(1) 菅総理から,メドヴェージェフ大統領に対し,今回大統領が国後島を訪問したことは,我が国の立場,そして,日本国民の感情から受け入れられないとして,抗議した。

(2) メドヴェージェフ大統領からは,ロシア側の基本的立場を踏まえた発言があった。

こちらも何も進展してなさそうです。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_kan/apec_10/russia_sk.html(外務省)

APEC JAPAN首脳会議1日目、菅総理は三大首脳会談を何とかこなしました。胡錦濤国家主席との会談で下ばかりをみている醜態をみせましたが、失言はなかったようですので、菅総理にしては、まあまあのできだったのでしょう。

成果としては「平成の開国」の言葉だけが踊っていて、中身はあまりないようです。

官邸のホームページに、APEC JAPANの概要が載っていますが、目玉もなく、華もなく、「無事に終わってよかったです」といった感じです。お疲れさまでした。

http://www.kantei.go.jp/jp/apecjapan2010/(官邸)

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