民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇天皇陛下の習近平氏との会見

この修学旅行が終わってすぐの2009年12月15日、天皇陛下習近平習近平・中国国家副主席(当時)の会見が行われます。習氏の来日日程が確定したのは11月23日、宮内庁は陛下の会見の「30日ルール」を理由に会見を断ります。しかし、小沢氏は剛腕を発揮します。産経新聞によると12月8日、小沢民主党幹事長が鳩山総理に「会見はやらないとだめだ」「何をやっとるのか」「ゴチャゴチャやっとらんで早くせい」と電話で伝えるとあります。裏で相当根回しをしていたようです。そして修学旅行で訪中し胡錦濤氏と会談。その席でもきっと「まかせておいてください。」と大見得を切ったのは想像に難くありません。12月11日宮内庁が折れる形で15日の陛下と習近平氏の会見が発表されます。

小沢氏と宮内庁の羽毛田長官の言い分を見てみましょう。

小沢一郎民主党幹事長の記者会見要旨 2009年12月14日 徳島新聞

天皇陛下と中国の習近平国家副主席の会見をめぐる、小沢一郎民主党幹事長の記者会見要旨は次の通り。

【会見働き掛け】

 一、政府が決めることで、私が習副主席を天皇陛下とお会いさせるべきだとか、お会いさせるべきでないとか、言った事実はない。

羽毛田信吾宮内庁長官発言について】

 一、何とかという宮内庁の役人がどうだこうだ言ったそうだが、日本国憲法、民主主義を全く理解していない発言としか思えない。私には信じられない。政府の一部局の一役人が内閣の方針について、どうしても反対なら辞表を提出した後に言うべきだ。

 一、天皇陛下の国事行為は、国民の代表たる内閣の助言と承認で行われる。(羽毛田長官の政治利用に当たるとの懸念に従えば)国事行為は全部政治利用になってしまう。天皇陛下は何にもできないではないか。

 一、天皇陛下のお体、体調がすぐれないというなら、優位性の低い行事はお休みになればいいことではないか。

 一、(1カ月前の申請)ルールは誰がつくったのか。法律で決まっているわけでも何でもない。宮内庁の役人がつくったから金科玉条で絶対だなんてばかな話があるか。天皇陛下ご自身に聞いたら必ず、「手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう」とおっしゃると思う。

 徳島新聞リンク元不明)

追記)小沢氏の記者会見の動画がありました。(2019年6月30日)
だめだ、こりゃぁ。

 天皇会見、首相が強く要請 宮内庁が異例の経緯説明 2009年12月11日 羽毛田信吾宮内庁長官

・・・(略)

 一方、宮内庁の羽毛田長官によると、外務省から宮内庁に初めて内々の打診があったのは11月26日。宮内庁はルールに照らし「応じかねる」と27日に返答したという。

 

 その後、12月7日に平野博文官房長官から羽毛田長官に電話で要請があった。断ると10日に再度電話で「総理の指示を受けての要請だ。ルールも分かるが、日中関係の重要性にかんがみてぜひお願いする」と強く要請を受けたという。

 羽毛田長官は「このルールの肝心なところは相手国の大小や政治的重要性で取り扱いに差をつけずにやってきた点だ。『ぜひルールを尊重してほしい』と官房長官に申し上げた」と強調。「現憲法下の天皇のお務めのあり方や役割といった基本的なことがらにかかわることだ」と述べた。

 天皇の政治的利用につながりかねないとの懸念を持っているのかとの質問に「大きく言えばそういうことでしょう」「陛下のお務めのありよう、役割について非常に懸念することになるのではないか」と述べ、「今後二度とあってほしくないというのが私の切なる願いだ」と異例の「訴え」を展開した。

 要請を最終的に受け入れたことについては「宮内庁も内閣の一翼を占める政府機関である以上、官房長官の指示には従うべき立場」とし、「誠に心苦しい思い。大変異例だが、陛下にお願いすることにした」と述べた。

・・・(略)

 http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY200912110473.html(朝日)

 どちらの言い分が理に適っているかと問われれば、私は羽毛田宮内庁長官の側に立ちます。当時の雰囲気も、小沢氏が権力ブンブン暴走を始め、陛下を「政治利用した」という感じでした。待ち焦がれていた政権について、あふれ出る権力欲を抑えきれなくなったしまった小沢氏はさらに図に乗っていきます。

ちなみに「30日ルール」は、1995年自社さ連立政権時代につくられました。その時の新党さきがけ代表幹事が鳩山由紀夫氏であったという小さなブーメランがオチとしてついてきました。

 自民党石破茂氏(衆・鳥取1区)のオフィシャルブログに「政治利用」に関する見解が見られますので紹介します。

 習近平中華人民共和国副主席天皇陛下との会見について 2009年12月14日 (月)

 今般、中国政府より、習近平・国家副主席が十二月十四日に来日するに際し、期限である一ヶ月前を切った十一月下旬に天皇陛下との会見の申請があったのに対して、宮内庁より困難である旨の回答が再三なされたにもかかわらず、鳩山由紀夫内閣総理大臣より平野博文内閣官房長官へ会見実現の指示があり、同長官より宮内庁に正式な要請が行われ、会見が実現する運びとなりました。

 私としては、このような政府の行為は日本国憲法の要請である天皇陛下の政治的利用の禁止に抵触するものであり、断じて容認できないと考え、次期通常国会をはじめとするあらゆる場において、憲法第三条に定められた内閣の責任を追及していく覚悟です。

 羽毛田信吾宮内庁長官は記者会見において、平野官房長官にいわゆる「一ヶ月ルール」を説明し実現の困難を主張した際、官房長官が「日中関係は重要だから」の一点張りであった旨述べ、「大きく言えば天皇陛下の政治的利用にあたる懸念がある」との見解を示しています。

 これに対し、鳩山総理は「あまり杓子定規に考えるよりも、本当に大事な方であれば若干の変更があっても、天皇陛下のお体が一番だが、その中で許す限りお会いいただく」と述べていますが、「日中関係は大事なので、ルールを杓子定規に考えず弾力的に運用する」ことこそが、まさしく政治的判断以外の何物でもないのです。鳩山政権の外交方針に沿うべく天皇陛下のご日程調整のルールを捻じ曲げたものであり、政治利用そのものと断ぜざるを得ず、かかる行為は決して許されないものです。

 もとより私は、我が国と中華人民共和国間の信頼関係が更に強化され、地域の平和と安定に資することを強く望むものです。しかし羽毛田長官が述べているとおり、天皇陛下の国際親善にかかわるご活動は、時の政府の行う外交とは次元の異なるものとして、相手国の大小や価値判断とは一切関係なく行われてきたものであり、今回このような特例扱いを行うことは、皇室の外国との関わり方の正当性を大きく傷つけるのみならず、日中両国の関係をも損なうものとすら言い得るのです。

 更に民主党小沢一郎幹事長は、訪問先の韓国において、天皇陛下の韓国ご訪問につき「韓国の皆さんが受け入れて歓迎してくださるなら結構なことだ」と述べていますが、これも天皇陛下の国際親善のご活動について、内閣の一員ですらない者が軽々にした誠に思い上がった発言として、断じて看過できるものではありません。

 政府ならびに民主党に対し猛省を求め、今後このようなことがないよう厳重に抗議してゆきたいと思います。

 http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-f538.html(石破氏)

なお、習近平氏が来日し、陛下にお目にかかった時の握手の仕方が上から目線だと、当時批判されていました。オバマ氏の時と比べられていました。確かに失礼と見えますが、習氏からすれば、あまり頭を下げると中国国内から責められるという危惧があったのかもしれません。

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どちらにしろ、陛下までを巻き込む小沢氏の剛腕ぶりに何かしら嫌悪感が生まれ、鳩山のルーピーぶりと合わせて、民主党の先行きに大きな暗雲が立ち込めているのを誰もが感じ始めていました。

追記)なお宮内庁側もささやかな意地悪を用意していたようです。

習近平氏をお迎えした部屋は竹の間でした。中間程度のお客様として扱ったようです。そして席には黄色いバラが飾られています。

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黄色のバラの花ことばは「あなたには誠意がありません」。

お客様にふさわしい花ですね。陛下がそんなことをされるわけがありませんから、宮内庁職員のせめてもの報復なのでしょう。 

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