民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇5日で撤回、3大学不認可問題

2012年11月2日の記者会見で、文部科学省大臣・田中真紀子氏は、は札幌保健医療大、秋田公立美術大、岡崎女子大の申請中の3校の認可を認めないと記者会見で発言します。そこで騒ぎが起こるわけです。そして5日後の11月7日には、撤回に追い込まれます。

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大臣になったのだから早く手柄をたてたい、功を焦って間違った権力のふるい方をしたのだと思います。冒頭記者会見、途中・日経、撤回・J-CASTニュースの三段階でご覧ください。

112日 田中真紀子文部科学大臣記者会見冒頭

 それから設置の認可16につきましては既存の四年制大学、もう既にあるものが学部の編成なんかをしたいということですから、それには柔軟に対応していきます。

 もう既に大学になっております。あと他に3校ありまして、これは短大などです3校とも。短大などを廃止して四年制に是非新設をしたいということですので、これは残念ながら認可するわけにはいきません。

 それで、今日も文部科学委員会でも読み上げましたし、皆様にも冒頭から私申し上げましていますけれど、日本はやはり個人の多様性をもっと大切にしていって、本当に学力のある、本当の学力のある人間が自立していく社会をつくらないといけないと思います。単に学歴だけがあっても、実際本当に就職してもすぐ転職してしまうとか、生きがいにつながらないとかいうことではなくて、自分探しをする場が、小学校、中学、高校、私は高校の頭ぐらいまでに自分の将来性が、こういうことを仕事にしたいなとか、こういう研究をしたいなとか、こういう技術を身に付けたいなということが気付くといいと思います。

 某新聞のデータを見ましても、日本は世界の先進国の中で自分探しがかなり遅い方で、大学を出て就職の頃になっても、自分の適性は何か分からないという人が多いというようなことも載っていますけれど、そういうふうなこともあります。あとは、たまたま、高等専門学校の創立50周年にお招きいただいたんですけれども、ああいう学校やら専門学校も非常に就職率もよろしいですし、生徒さんたちが生き生きしているところ、私は実際にそこに行ったこともありますけれども、そういう道もあるということですね。

 やっぱり早いうちから自分は何が向いているか、何が好きかということを見つけることもできることがいいというふうに思いますので、ただ今、そのような結論を下したというところでございます。以上です。

 http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1327392.htm文科省

 田中真紀子氏の考え方がわかるかと思って掲載しましたが、何言っているかよくわかりません。多様性、自立していく社会、生きがい、自分探しなどの言葉が躍っています。「やっぱり早いうちから自分は何が向いているか、何が好きかということを見つけることもできることがいいというふうに思いますので・・・」要は、早いうちに針路を決められる方が良いということですね。ただ、それと短大だから認可しないのの関連が全くわかりません。

道理なき大学開設不認可は直ちに撤回を 2012/11/6

田中真紀子文部科学相が、来春開学予定だった大学3校の設置を不認可とした。大学設置・学校法人審議会の答申を覆す異例の事態だ。準備を進めていた関係者は猛反発し、3校を志願する受験生の間にも動揺が広がっている。

 不認可になったのは秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大で、いずれも短大や専門学校を4年制大学に移行するケースだ。

 3校を不認可とした理由は設置基準に合わないからではなく、大学の乱立を招いた設置認可のあり方そのものを見直すためだという。制度改革と個別の大学の開設可否を混同しており、尋常な判断ではない。文科相は速やかに不認可を撤回すべきである。

審議会は今月1日、教育課程や教員数、財産などの基準を満たしているとして、ほかの大学の学部増設などとともに、3校の新設を認める答申を出した。大臣はこれを尊重するのが慣例だ。

 ところが田中文科相「大学が多すぎて教育の質が低下している」「認可の判断を審議会に任せていいのか。審査がルーティンワーク化している」などと批判し、3校の開設について唐突に不認可とした。ほかの政務三役や事務方との調整もなかったという。

たしかに1990年代以降の規制緩和で大学の数は増え続け、現在では全国に783校と20年前の1.5倍に達する。多くの私大で定員割れが起きるなど現状は深刻だ。一方で私学助成金は膨らみ続けてきた。設置審査のあり方も含めて改革を急ぐ必要はある。

 しかし、こうした制度改革と、個々の大学の開設とはまったく別の問題だ。来春の開学を控えて教員採用や入試の準備など進めていた3校への影響は大きい。短大からの編入を志願し、ほかの進路を考えていなかった学生は途方に暮れているという。

大臣の「鶴の一声」が、これほど理不尽な状況を生み出すことを田中氏は想像していなかったのだろうか。不認可は裁量権の逸脱だとして、訴訟を起こされる可能性もある。ここは過ちを潔く認め、不認可の撤回を決断すべきだ。

 野田佳彦首相は、田中氏を文科相に起用した狙いについて「発信力に期待」などと語っていた。しかし田中氏は外相時代に政治主導をはき違えたような振る舞いが問題になり、今回も言動を不安視する声があった。案の定というべきで、首相の任命責任も重い。

https://www.nikkei.com/article/DGXDZO48107420W2A101C1EA1000/(日経)

 田中真紀子氏の言い分に無理があるので、「道理なき」と各紙とも否定的な論調でした。テレビも受験生を引っ張り出してきて「困ってます。」とその姿を映して騒ぎを煽っていました。

結局田中大臣は、撤回に追い込まれます。しかし撤回したその日の午前中も、田中大臣は国会で激しく抵抗して、午後15時半にやっと方針転換したみたいです。

田中真紀子文科相が「無条件降伏」 民主党内と官邸サイドから圧力? 2012/11/ 7

   3大学新設の不認可発表から、新しい基準のもとでの再審査へと揺れ動き、挙句は「現行制度で適切に認可します」――。

   田中真紀子文部科学相による3大学の新設不認可発表から5日後の2012年11月7日、同氏は衆院文部科学委員会で突然、これまでの発言を全面的に撤回し、3大学を現行制度で審査し認可する方針を示した。

   「暴走大臣」田中氏のこの間の場当たり的な方針転換に、自民党は田中氏の辞任か罷免を要求するとともに、野田首相任命責任をも追及する構えだ。

「この3校は認可します」と明言

11月7日午前九時半に開会した文部科学委員会は、3大学の新設を不認可にした問題をめぐる議論に終始した。

   「田中大臣の判断は決定的に誤っている。3大学への不認可決定を即座に撤回すべきだ」。自民党下村博文氏がこう追及したのに対し、田中氏は「従来の設置基準のもとでは新設を認めることができない」と繰り返した。

   答弁では「不認可処分という行政処分は行っていない。世間は誤解している。新たに策定するルールのもとで、そこで審査して(認可か不認可かを)検討する」と述べ、11月6日の会見で表明した文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」の早急な見直しについても強調した。

   また田中氏は札幌保健医療大、秋田公立美術大、岡崎女子大の3大学について「3校のどこが悪いなんて具体的に知りませんし、悪いとも思っていません」と申請内容の詳細を把握していないことを認めた。

   あくまで3大学への不認可の撤回を固辞し、新基準のもとでの再審査を主張していた田中氏が同じ文部科学委員会の場で、既定方針を急転させたのは午後三時半を過ぎてから。来春の3大学の開学に向け、同委員会の川内博史委員長(民主)が「速やかな対応を」と求めたときだった。

   田中氏はこれに応えて、11月2日の不認可発表以来の発言をすべて覆す形で「3大学の認可については現行の基準や制度にのとって適切に対応したい」と述べた。

   閉会後の会見でも記者の質問に答え、不認可決定の撤回に加えて「この3校については認可します」と明言した。

会見内容が「官邸サイドを怒らせた」?

   プライドの高い田中氏らしからぬ、180度の唐突な方針転換の裏には何があったのか

   「総選挙を前にして官邸サイドと民主党内の両方から、不認可撤回の圧力がかかった」。永田町関係者はこう見る向きが多い。

   実際、この日は文部科学委員会と平行して民主党の文部科学部門会議が開かれ、3大学不認可問題をめぐって、田中氏に判断撤回を要求する方針を決めている。「3大学は現行基準を満たしているのに、不認可にしては学習権の侵害につながる」といった大臣批判が多数を占めたという。

   田中氏の11月6日の会見内容が「官邸サイドを怒らせた」との見方も少なくない。同氏は会見の席上、3大学の不認可決定について官邸サイドには事前了解を取り付けていたことを暴露し、「藤村官房長官からは『大変結構だ』、野田首相からも『進めてください』と言われていた」と明かしていたからだ。

   自らの失態に官邸を巻き込む「手法」はいかにも田中氏らしいのだが、発足以来最低の支持率(19%)にあえぐ野田政権周辺からは「またも閣僚人事の失敗」という声も漏れていた。 

https://www.j-cast.com/2012/11/07153100.htmlJ-CAST

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もう何度となく同じようなことを書いているような気がします。民主党政権における閣僚の不祥事ですが、レベルが低すぎるのです。権力振り回す=政治主導と勘違いしているだけです。権力を振り回す側に振り回すだけの力量と分別がなければ、ただの横暴、暴走にしかならないことが、総理を含めて誰もわかっていませんでした。

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