民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇陸山会、不動産購入と原資4億円の謎・その1 

次なる小沢氏のおカネにまつわる騒動の発端は、2008年6月4日の東京高等裁判所の判決でした。小沢氏が講談社週刊現代とジャーナリストの長谷川学氏を名誉棄損で訴えた裁判で敗訴したのです。

 週刊現代は、2006年6月3日号で「小沢一郎の“隠し資産”を暴く」と題し、小沢氏の政治資金管理団体陸山会」が都内などにマンション10戸、6億円以上を所有、さらにそのすべてが小沢氏の名義だったことを暴露したものでした。この記事に激怒した小沢氏が訴訟に踏み切ったのです。小沢氏は、それらの不動産が全て小沢氏名義になっているが全ては陸山会の所有と主張しますが、裁判では「本件各マンションが陸山会のものであると断定することはできない」とします。

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 2007年12月の政治資金規正法改正で政治資金管理団体が新たに不動産を持つことが禁止されます。それ以前は、不動産を持つことが許されていたわけですが、なぜか名義は小沢氏になっていたわけです。その辺の事情をいくつかの新聞記事で見ていきます。朝日新聞産経新聞の記事をご覧ください。

 小沢氏個人の土地と疑われないよう不記載か 朝日新聞 2010年1月17日7時8

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体陸山会」の土地取引をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕された元秘書の衆院議員石川知裕容疑者(36)が、この土地が小沢氏の個人資産と疑われないように購入原資を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあることがわかった。

 東京地検特捜部は、小沢氏が「便宜上、個人名義」としているだけで同会の所有とする根拠とした「確認書」が、取引の2年後に作られていたことに注目。不可解な取引の理由の解明を進めている。

 問題の土地は、陸山会が2004年10月29日に約3億5千万円で購入した476平方メートルの宅地。当時の同会の事務担当者だった石川議員が「小沢氏が父親から相続した資金」と供述した4億円が、陸山会に入金されて購入費に充てられた。一方で、陸山会のような政党以外の政治団体は登記できないとの理由で、登記上の所有者は代表である小沢氏個人とされた。

 07年になって、この土地の購入費が05年分の政治資金収支報告書に内訳不明のまま「事務所費」名目で記載されていたことが表面化。「政治団体が解散すれば、小沢氏個人の資産に変わるのではないか」との批判も出た。

 これに対し、小沢氏は07年2月20日に会見を開き、便宜上、小沢氏個人の名義で登記したにすぎないと主張し、根拠として「確認書」を示した。個人の「小澤一郎」氏が何の権利も持たず、陸山会代表の「小沢一郎」氏の指示がなければ処分や担保権の設定はできない――とする内容で、小沢氏が二つの立場で署名していた。「公私の区別をはっきりつけるための私自身の意思表明」と説明した。

 陸山会は収支報告書に、この土地の購入日を05年1月7日としており、確認書の作成日も同日付と記されていた。

 しかし、特捜部が09年3月の西松建設の違法献金事件の捜査で陸山会事務所を家宅捜索して押収したパソコンのデータを分析した結果、実際に確認書が作成されたのは小沢氏が会見した07年2月20日の直前だったことが判明。小沢氏側が会見で蓄財批判をかわすために準備した文書だった疑いが強いことがわかった。

 さらに、登記上の名義人は小沢氏個人で、小沢氏が原告となった民事裁判の確定判決も「陸山会が購入した不動産が陸山会のものであると断定することはできない」と認定。小沢氏が死亡したり団体が解散したりすれば、土地が法的には親族や小沢氏に帰属する可能性があるという。

http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201001160430.html(朝日)

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 政治資金で購入した「陸山会」所有物件が、民主・小沢氏の資産に…秘書や中国人が使用 産経新聞 2010年2月8

 民主党小沢一郎幹事長の資金管理団体陸山会」が平成13年に購入し、秘書宅などに 使われた東京・南青山のマンションの一室が昨年1年間に所有権が移転し、小沢氏の 個人資産になっていたことが8日、衆院議員の資産公開で分かった。政党交付金献金などの 政治資金で購入した陸山会の物件が、小沢氏の個人資産となっていた事実が発覚するのは 初めて。

 小沢氏側は移転の経緯を明らかにしておらず、虚偽記載事件に続き、小沢氏をめぐる 不動産取引の不透明さが際立った。

 8日公開の資産等報告書によると、小沢氏が新たに取得したのは、東京都港区のマンション 「ラ・セーナ南青山」の一室。陸山会政治資金収支報告書などによると、約33平方メートルの 新築物件で平成13年12月に約3320万円で購入した。秘書宅や交流事業で来日した中国人 関係者の宿泊所などに使われていたという。

 不動産登記は陸山会所有時から小沢氏の個人名で行われており、所有権移転の時期は不明。 だが、平成20年分の収支報告書では同物件は陸山会の資産とされていることから、個人資産化は昨年中に行われたとみられる。

 陸山会の所有物件を「小沢氏の隠し資産」と週刊誌で報じた講談社を相手取り謝罪広告などを 求めた民事訴訟での小沢氏側(敗訴)の主張によると、同物件は当初、小沢氏が個人資産に するため12年12月に売買契約を締結。だが、翌年12月になって秘書宅用などに陸山会が 買い受けることに変更し、修繕積立金や登記費用などを負担したほか、小沢氏が組んだ 2800万円のローン返済も陸山会が肩代わりしたという。

 小沢氏側は産経新聞の取材に対し、今回の所有権の移転が金銭を伴うものだったかなど 移転の経緯について回答しておらず、会計上の処理が「寄付」なのか「売買」だったのかなどは 分かっていない。

 陸山会の不動産所有が問題視された9年の会見で小沢氏は「陸山会代表としての小沢氏」と 「小澤一郎氏個人」で交わした確認書を公開。不動産はあくまで陸山会の所有物件であると 主張したが、その確認書も記者会見の直前に作られた疑惑があり、権利関係はあいまいだ。

 “政治とカネ”の問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は「陸山会の代表としての 小沢氏と、小沢氏個人の間の取引であり、不透明極まりない。取引金額が妥当であったのかなど 疑念もあり、小沢氏の説明責任が問われる」としている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100208/stt1002081006000-n1.htm(産経・リンク切れ)

 小沢氏の疑惑をネットで検索していると、金銭感覚が麻痺していく感じがします。当の本人や周辺の方たちは、完全に違う桁の世界で暮らしているのだろうと、あらためてため息が漏れます。

 少し前後しますが、政権交代後、この問題がクローズアップされた経緯について、Wikipediaの「陸山会事件」から抜粋編集します。

 市民団体が2009年11月、小沢の秘書3人に対して告発

告発理由は、陸山会が東京都世田谷の土地を2004年に購入した際に政治収支報告書に虚偽記載した政治資金規正法違反容疑です。これを受けて、東京地検特捜部は2010年1月、政治資金規正法違反容疑で小沢氏の秘書を務めた石川知裕氏(衆・北海道11区)、秘書の大久保隆規氏と元私設秘書を逮捕します。また、秘書を告発した別の市民団体が小沢氏に対しても政治資金規正法違反容疑で告発します。2月には、政治資金規正法では過去最大の20億円を超す虚偽記載で、秘書3人が起訴されまが、小沢氏は嫌疑不十分で不起訴処分となります。

これに対し市民団体は不服申し立てを行い、東京第五検察審査会は2004年と2005年の土地購入経緯について小沢氏に対し起訴相当を議決、5月に東京地検特捜部が再び不起訴とします。7月に東京第一検察審査会は2007年の案件について小沢に対し不起訴不当を議決、9月に東京地検特捜部が再び不起訴した。10月に東京第五検察審査会は2004年と2005年の土地購入経緯について小沢を起訴議決することを公表。2011年1月、小沢氏は強制起訴されることになります。

いろいろな思惑と権力が飛び交っている感じで、論評は控えます。

この項、その2に続きます。

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