さて、マスコミによる小沢氏追及のポイントは、2004年の不動産購入に対する原資の4億へと移っていきます。朝日新聞の記事からです。
4億円どこから? 小沢氏の関与は? 検察聴取の焦点 2010年1月23日
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反容疑事件で、東京地検特捜部は23日午後、東京都内で小沢氏本人の任意の事情聴取を行う。土地取引や購入原資4億円などへの小沢氏の関与の解明が焦点となる見通しだ。小沢氏側の関係者によると、小沢氏側は聴取後にコメントを発表する予定だ。
特捜部は、陸山会の会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(たかのり)(48)、いずれも元秘書で事務担当者だった衆院議員・石川知裕(ともひろ)(36)、池田光智(32)の3容疑者を同法違反(虚偽記載)容疑で逮捕した。3人は、2004年10月に東京都世田谷区の宅地を約3億5千万円で購入した際の原資4億円や、07年に小沢氏への同額の支出を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いが持たれている。
小沢氏の聴取のポイントは、(1)土地取引への関与度(2)虚偽記載の認識の有無(3)購入原資4億円へのかかわり――などが予想される。
陸山会は土地代金を支払った直後、関連団体から集めるなどした4億円で定期預金を作成。これを担保に小沢氏個人が同額の融資を受けて陸山会に転貸していた。特捜部は、融資などの取引が、本来の原資4億円を隠すための偽装工作とみている。
秘書寮用地とする土地取引は、小沢氏の指示で始まり、融資書類にも小沢氏が署名していたことが判明。このため、特捜部は、小沢氏が資金操作にどこまで関与したか、石川議員らによる収支報告書の虚偽記載をどこまで認識していたかに注目している。
一方、石川議員は、土地代金4億円を「小沢氏の個人資産」と供述しており、特捜部はこの原資について、小沢氏の説明を求めるとみられる。
小沢氏は、父親の遺産を妻と息子3人の各名義で預けていた信託銀行口座から98年と01年に引き出して自宅と事務所に保管していた計約3億6千万円、93年に出版し72万部を超えた著書「日本改造計画」(講談社)の印税収入の残り約9千万円などにより、04年の土地購入時には4億数千万円と十分な資金があったと主張する見通しだ。
ただ、特捜部は、土地購入と同じ04年10月に本体工事の入札があった「胆沢(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)の受注をめぐり、小沢氏側に裏金を提供したとする中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)元役員らの供述を得ており、裏金が4億円の一部に含まれている疑いがあるとみている。このため、小沢氏の説明に矛盾がないか詳しく調べるとみられる。
・・・(略)
http://www.asahi.com/special/ozawa_sikin/TKY201001220478.html(朝日)
この4億円について、供述が二転三転するのです。
ネットでひろった小沢氏の出所不明の4億円の説明の変遷をご覧下さい。一部改変しています。
・27年前の新聞 「父は票田は残してくれたが遺産は残さなかった」
・07年2月 「皆様からの献金」
・09年12月 「定期預金を担保にした銀行からの融資」
・10年1月16日 「父からの遺産」
・1月23日 「私や家族の口座からの金」
・1月31日 「すでに亡くなった元側近から預かった金」
・2月1日 「闇献金、裏金、不正な金は受け取っていない」
・2月8日 国会議員の資産報告書の内容が公表され、
小沢氏は預貯金などの金融資産を「なし」と記載
秘書の石川氏は「かなり以前から現金として保管していた個人資産である」と供述しています。
しんぶん赤旗 2012年1月12日 第12回公判
小沢被告は「手持ちの資金を用立てた段階で私の関与は済み、その他の実務的なことは一切(秘書に)任せていたのでわかりません」としました。
また、土地購入資金のために小沢被告が用立てた4億円の原資について「両親からの不動産、現金の相続で得た。自らの印税や議員報酬も得ていたので、そういうもろもろで現金を取得していた」とのべ、これまでと違う説明をしました。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-01-11/2012011101_03_1.html(赤旗)
日経新聞 2012/1/11
元代表は4億円の原資について「当時、東京都内の土地売買で生じた差額の利益2億円のほか、引き出したり解約したりした預金約3億6千万円を手元に置いており、その一部だ」と供述。ただ、2億円が土地売却益だったかどうかは「銀行に問い合わせたが、資料が残っておらず、客観的に明らかにできない」と弁明した。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1101O_R10C12A1CR0000/(日経)
ネットを検索すると、この件で小沢氏を擁護する著名人・ブログも多くいらっしゃいます。でも、庶民の一人としては、4億円ものお金の出所に関して、コロコロ供述が変わるというだけで納得いきません。こんな大金、宝くじでも当たらなければ手にできません。こんなに、いろいろな言い訳ができてしまうことだけでも、うらやましいです。
その後、小沢氏の3人の秘書に関しては、2013年3月に大久保氏と元私設秘書の執行猶予付きの有罪が確定、上告した石川氏は最高裁で棄却され、2014年9月に執行猶予付きの有罪が確定しています。
小沢氏は、2011年1月強制起訴され、3月に党員資格停止を言い渡され不服を申し立てますが、7月に党員資格停止が決定します。2012年4月に無罪となり、党員資格停止は解除になります。ただこの時の野田政権時、民主党政権はボロボロで、小沢氏が剛腕を振るう余地も残っていませんでした。