民主党政権3年3か月の研究

悪夢でした。二度と政権をとらせてはいけません。だから記録します。

◇ミスター年金とマニフェスト・照合たったの400万件 

「(マニフェストは)ある意味、国民と新しい政府との契約書、あるいは命令書と考えてもよい」

ミスター年金と呼ばれた長妻昭氏は、厚生労働大臣就任時にこう述べています。(wikipedia

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「絶対壊れない年金制度になります!!」と選挙前に豪語していたのですね。
その民主党の年金に関するマニフェストは、具体的には次の通りです。

「納めた保険料」「受け取る年金額」をいつでも確認できる「年金通帳」を、全ての加入者に交付します。 →「年金通帳」など発行されていません。

 

金保険料の流用はさせません。 政権交代後すぐに年金保険料の事務所費への流用を認めています。

 

年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。 →公務員の共済年金国民年金を一元化するなど、民主党の支持母体の一つ自治労が許すわけがありません。最低保障年金も絵に描いた餅でした。元々できるはずがないのです。

 

消えた年金」「消された年金」問題の解決に、2年間、集中的に取り組みます。

上の3項目は全くできませんでした。途中経過の記事がありましたので紹介します。東日本大震災の後、菅政権の時です。朝日新聞です。

主婦年金廃止しサラリーマン年金に吸収 民主原案 2011年4月16日
 税と社会保障の一体改革で焦点となる年金制度改革について、民主党の原案が15日わかった。厚生年金と共済年金を一元化してサラリーマン年金を設けることや、専業主婦を対象にした「3号被保険者」の廃止などが柱。マニフェストで掲げた案は将来の検討課題に先送りして、現行制度の改革に手をつける。
 近く民主党案として取りまとめ、今月下旬に再開する税と社会保障の一体改革の集中検討会議(議長・菅直人首相)に提出する。厚生労働省は、この民主党案について財政的な裏付け作業を進める方針だ。
 原案では、当面手がける改革を「第1段階」と位置づける。3号被保険者の制度は、専業主婦に保険料の負担がないことが問題化。そこで、専業主婦がいるサラリーマン世帯については、夫の所得の半分を夫婦それぞれの所得とみなし、それに対応する保険料を2人がそれぞれ払うことにする。実質的には夫が2人分を払うことになるが、負担を明確にする狙いがある。
 厚生年金と共済年金に制度が分かれている会社員と公務員らは、サラリーマン年金に一元化。3号被保険者も、サラリーマン年金に吸収される。現在は厚生年金の対象外のパート労働者ら非正規社員は、サラリーマン年金に加入できるようにする。年金が少ない人向けには、基礎年金(満額で月約6万6千円)に上乗せする年金などを導入する。
 現行制度には、現役世代の人口割合が減ることにあわせて年金額を削減する仕組みがあるが、物価水準が低迷するデフレ経済下では実施されない。このままでは年金財政の悪化が進むため、デフレでも削減できるよう改める。ただ、老後の基礎的な生活費となる基礎年金には適用しない。
 一方、民主党は2009年衆院選マニフェストで、自営業者らを含めた全国民が所得比例の同じ年金制度に加入する完全一元化や最低保障年金の創設を目玉に掲げ、政権交代につなげた。だが、自営業者の所得を把握することが難しく、実現には課題があるため、「第2段階」の改革に位置づけた。
 この第2段階は、「所得捕捉の体制完備」を条件に実現をめざす。これには、税と社会保障の共通番号制度の普及が前提になる。最低保障年金は、国内に3年以上住んだことを支給条件にする。支給額は、40年居住で満額の月7万円になる。財源は税方式とする。
 集中検討会議は、東日本大震災で中断している。民主党案も踏まえ、5月中には菅政権としての社会保障改革案をまとめる予定だ。(山田史比古)

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http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201104150583.html(朝日)

マニフェストで言ったことは難しいから2段階で考えると言いながら、結局何にもできませんでした。この他に「歳入庁」の発足もマニフェストでうたっていましたが、結局自民党政権の準備していた「日本年金機構」を発足させ、こちらも言うだけのマニフェスト詐欺になっています。◇日本年金機構の発足と懲戒職員の雇用 - 民主党政権3年3か月の研究

では、最後の年金問題の解決に、2年間、集中的に取り組みます。」は、どうだったのでしょうか?これについて、見ていきましょう。

政権交代後「2860万件」の消えた年金が見つかった。と野田佳彦総理が街頭演説で語ったと民主党のホームページに残されています。

われわれは政権交代以降、国家プロジェクトとして当時の長妻昭厚生労働大臣のもとでこの消えた年金を探してきた。2860万件、1300万人分、1兆7000億円見つかった。こうした努力によって今になってようやく、年金をもらえるようになった人が出てきた。政権交代の前と後では、この年金記録行政のあり方ひとつとってもちがうと思いませんか。1兆7000億円が見つかったのである。

https://www.dpj.or.jp/article/101716/民主党

このように成果を主張していますが、この数字がどうも眉唾物です。

参議院自民党「☆民主党政権の検証」の数字です。

2年間で、「統合済」「一定の解決」は2,860万件→3,174万件(314万件増)

残りあと1,922万件。

「☆民主党政権の検証」36ページ)

民主党政権の年金改革の評価 みずほ総合研究所 みずほインサイト 2012年12月11

2006年6月から2012年9月までの記録の統合件数は1,671万件であるが、2009年9月末(政権交代前)の時点ですでに1,257万件の記録が統合されており、民主党政権発足後の統合件数は400万件余りにとどまっている。

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl121211.pdfみずほ総合研究所

 こちらのサイトでは、さらに詳しく説明されています。

厚生年金・国民年金情報通

消えた年金民主党政権時代の解明は400万件ほど

自公政権「2481万件」vs民主党政権「414万件」

 http://www.office-onoduka.com/nenkinblog/2013/05/33.html(厚生年金と国民年金の増額対策室)

 

見つかった数、統合件数などいろいろ数字が錯綜していますが、要は、どのサイトでも指摘されているのは、上で野田総理が述べている数字は、消えた年金が発覚して以降の数字で、自公政権が取り組んだ成果も含んでいるということです。民主党政権になってから解明されたのは、実は400万件程度にすぎない。これが2年間集中的に取り組んだ結果のようです。

できなかったら、できなかったと正直に言えば良いのですが、この後に及んで自らを正当化しようと、すぐにばれる嘘をつくわけです。多くの国民は、年金の数字など検証しないと高をくくっているのでしょう。そういう態度が支持率を落とすことを、ご本人たちは気づいていないに違いありません。

しかし悪夢の民主党政権は、マニフェストを実現できなかっただけではありません。「ミスター年金破壊」とでもいうようなことを長妻氏は実行します。■ミスター年金破壊 長妻昭氏 - 民主党政権3年3か月の研究

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